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zoom RSS KATO C57 4次形 分解

<<   作成日時 : 2014/06/12 22:18   >>

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 着実に車種を増やしているKATOのNゲージ蒸機、今回はC57です。こうしてみると、なかなかかっこ良いではないですか。私は古風なスポーク動輪が好みなので、実のところスルーしようかとさえ思っていたのです。しかし皆様ご存知のwebサイト「Nゲージ蒸気機関車」で発表された動力部の写真、これまでより滑らかな走行性との評を拝見し、やはり現物で確認したくなりました。

 一通り走らせて見ると、やはりスタートの感じが良いように思います。新世代のKATOの蒸機で、動輪径、軸配置など一番近いC62北海道形と比べても、低速のコントロールが楽な感じです。

 まあ、これは感覚的なもので、個体差もあるかも知れませんね。実は上記サイトの写真中、ウーム、どうやら改良されていそうだぞ…、と感じる所があったのです。早速分解して調べます。もちろんなくても分解しましたけど(笑)。

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 全体はやはり上記サイトを参考にバラしました。最初の取っ掛かり時点で迷わずバラせるのは非常に助かります。いつも参考にさせていただいています。ありがとうございます。

 感じた点その1

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 まずはウォームです。外径に比して進み角(ウォームの歯の傾き)が大きく見えます。2条ウォームです。以前C56を分解した時に見たものがまた出ました。ウォームの進み角は伝動効率に関係するそうで、角度は大きい方が効率が良いとのことです。C56のより細いですから、進み角は大きくなっています。
 また、逆伝動(車輪からモーター側に回転を伝える)もしやすくなっています。このC57はどうかな?と手で押してみるともうちょっとでウォームが回りそうです。同じ径の2条ウォームが使われている、KATOの16番のEF510の動力台車は逆伝動出来ましたので、もっとがんばれば(笑)きっと回るはず!・・・まぁ、無理はいけません。でも、押して動くNゲージ蒸機なんて、あったら面白いですね。

 で、フライホイールの効きはC62より良いようです。感覚的には、2条ウォームは効率が良い、逆伝動しやすい、と言う上の理屈に合う結果です。

 実際は逆伝動というと大げさで、あくまで「逆伝動しやすい」です。Nゲージ車両の慣性なんて知れたものです。フライホイールを回す、と言うよりは、止めにくくなっている、程度のことです。
 しかしこの「止めにくくなっている」ことが、下り坂や重連で機関車が押された場合のノッキング(ギクシャク)防止に役立っているのでしょう。
 ノッキングはD51498の開発時にも問題になったそうです。雑誌(RMM 2012 7月号)のKATO開発部インタビュー記事には、その時に「いかにウォームを回し続けるかがポイント」で、そのため「ウォームの前後にフライホイールを装備」とあります。2条ウォームはその効果をさらに高めているわけです。

 ところで16番以上の模型でも、こういった現象が起こっているのでしょうか?1条ウォームの蒸機が、長い貨車を牽いて下りにかかるとノッキング、とか。そういえば古くはインサイドギア用のパーツに、17:2など2条ウォームがありましたね。実は協調運転をスムーズにするための対策?

 感じた点その2

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 動輪のギアは、C62よりずっと大きいです。また、歯も細かく見えます。きっとギア比が大きく、その分スローが利くはず・・・?

 しかしウォームが2条と判明した以上、コレはちょっと怪しいです。2条ウォームでは1回転でウォームホイールの歯は2枚進みます。C62、D51に使われている1条のものの倍の回転数になります。同じモーターですから単純に考えて倍以上減速しないとさらなるスローは望めません。

 しかし運転した感じではC62よりスローが利く感触です。

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 で、どのくらいのギア比なのか。フレームを割って見てみます。

 余談になりますが、KATOの蒸機、かつてはフレームはネジ止めで組まれていました。しかし新世代になってからは絶縁のブッシュを介してのはめ込み式になっています。
 毎度分解の時は、合わせ目にドライバーを差込み、こじってフレームを割っていますが、今回特にはめ込みがきつく、ジワジワ30分ほどかけて外しました。ダイキャストですから無理にこじると曲がります。ASSYパーツは出ていますので交換は可能ですが、ここはなるべく外さない方が良いです。普通は外しませんね(笑)。

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 結局キズを入れてしまいました(泣)。

 それはさておき、肝心なのはギアの歯数です。ウォームホイールが23T、M0.3(23歯、モジュール0.3)で、同軸の11T、M0.25から第三動輪に伝えています。結構期待できそうです。

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 こちらが動輪のギアです。動輪のギアは外径寸法から割り出したものですから1枚前後するかも知れませんが、多分36枚です。

 で、コレらが正しいとして計算すると、2条ウォームと言うのも入れた総合のギア比は、約37.6:1です。C62は30:1でしたから25%増のギア比です。しっかりと減速されていました。構造上でもC62よりスローが利く設計になっていた訳です。良かった良かった。

 えー、簡単ですが以上です。効率の良い2条ウォーム、C62に比べて減速比の増加という改良点がありました。

 2条ウォームのことについては、私は勉強不足で解説にも自信が無いです。ついついゴチャゴチャ書いてしまいましたが、内容は疑ってかかってください。 

 それでも少なくともギア比は大きくなっています。個体差はあるにせよ、滑らかな発進、停止が期待できると思います。


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 画期的なリニューアルで登場したD51498から3年半、KATO蒸機はまだ進化を続けていました。この調子でいつかC55やC51が出るといいなぁ。出来れば8620、8850なんかも・・・さらなる進化と共に!


 以下、オマケなど。

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 テンダーのカプラーはマグネマティック(MT-7)を台車マウントにしてみました。先にTOMIXC57を改造のC54、KATOのD51498で試してみて、そこそこ使える感触だったので、このC57にも付けてみました。プラ板から作ったカプラーユニットを台車端梁にはまるようにして接着しましたが、ちょっとグラグラするので補強を当てています。

 重い列車を牽かせるのはちょっと不安です。無理せず車体側に付けるのが良いと思いますが…昔ながらの台車マウントが好き、という理由だけでやってみたものです。

 C54、D51の様子を写真で。

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 C54は簡単でしたが、D51は高さの調整用にプラ片を追加しています。カプラーの出方は、どちらも端梁の真上に洋白線のカプラー押さえが来るよう取り付けるとちょうど良くなりました。

 台車の首振りを邪魔しないように、本来は車体側のカプラーポケット周辺もカットする必要があると思います。
 しかし最近の製品のテンダー台車はあまり首を振りませんので、D51、C57ではそのままです。C54ではポケット両側を0.5mmほど削りました。

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 ラストでチョコッと出た給砂塔。ペーパークラフトのキットが出たときに、買おうか、どうしようか、と悩みながらいたずらしていたら、トラス部分が出来てしまったのでそのまま完成させました。メインのトラスはGMの火の見やぐらの幅を詰めたものです。

 手遊び的にこねくっていたのでややこしいですが、やぐらの×の部分を外して幅詰め、その後×を適当にカットしてはめ込みました。寸法がうまく合わず、一段ずつ上にずらしてはめ込んだかも知れません。なんだか面倒に見えますが、GMのキットはカットも楽でしたし、プラボンドでぺたぺた付くので割とすぐ出来ます。リベットもついているのがうれしいです。

 手すり、はしごはハガキと手芸(造花)用針金から。「灯台リニューアル」の記事内の技法です。後はプラ細工。グレーのプラ板を使ってますが、意味はありません。バルブ、パイプ状の部分はこれもGMの工場施設か何かのキットから拝借しました。

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 ターンテーブルに似合う機関区施設、買い物が続いたので、節約モードで自作になりそうですね〜(笑)。

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
 どうも、先日は失礼しました確かに書いてありました(汗)。
さて、発売ごとに進化するカトーの蒸気。ギアもさることながらモーターも性能UP?しているのかも(見た目では分からないですが)。やはり実物見てみたいですねぇ、動力Assyだけ買おうかな(笑)
RODEO
2014/06/14 17:53
RODEO様

 このモーター、低電圧からかなりゆっくり回りはじめます。単体で回しても楽しいですよ!ちょっと変態じみていますが・・・RODEO様なら付き合っていただけると(笑)。しかし、その滑らかな回り出しを生かすためのギアの効率なのでしょうね。
 D51498のと比べての進化は不明です。指でつまんだ位では判別しにくいですね。こうなりゃ変態に拍車をかけ、計測器を使って調査・・・いや、それが正しいのでしょうけど、さすがにそこまでやる気力はないです。
バラックモデル
2014/06/14 19:40
はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いております。

多条ウォームについてはこの方のブログが詳しいです。
http://dda40x.blog.jp/archives/cat_50024753.html

ついでに、計測器を使って調査されている方も。
http://rtmrw.parallel.jp/laboratory/index.html
駅猫
2014/06/16 07:22
駅猫様

 情報ありがとうございます。多条ウォームについてはdda40x様のブログがきっかけで興味を持ちました。Nゲージのスロースタートにおいて、多条ウォームは、高効率、逆伝動可能、という利点の反面、減速比を大きくしにくいのがつらかったのです。しかし低回転からそこそこトルクの強いモーターが登場した現在、ギアダウンにばかり頼らず、高効率の伝動装置によるスロースタート、という手段も見えて来ましたね。

 「鉄道模型工作実験室」様も時々参照させていただいています。相当な情熱を持って精力的に実験を積み重ねられておられるのが伝わってきます。実験装置の作成から結果の解析まで、相当量の文とデータがアップされ、とにかくすごいです。私にはこちらのサイト、完全に読み解く力が無く、わかる所だけ拾い読みレベルなのですが、今回の記事には「制動領域での動力特性」が参考になるはずです。
http://rtmrw.parallel.jp/engineering/eng-report06/eng-report06.html
 
バラックモデル
2014/06/16 20:01
どうもはじめまして、いつも見ております。『銀狼』と書きまして「ぎんろう」と読みます・・・普通ですね。   C57などの次世代蒸気に使用されているこのコアレスモーターなのですが、我が家にもC56やD51がいますが起動電圧が低く、我が家のパワーパックのN-1001-CLでは多少暴走気味なのですが、スロースタートをやりづらいながらも走らせています。前にはこのような小型モーターはなかったものですが、どうすればスロースタートを楽しめるものでしょうか?出来るだけ元のパックを利用したいのですが。
銀狼モデルロード
2014/07/27 18:37
銀狼モデルロード様

 うちのパワーパックはほとんどが自作品です。TOMIX製品のN-1001-CLは持っておらず、このパックを利用での対策法は私には分りません。お役に立てない回答で申しわけありません。

 しかしN-1000-CL、N-1001-CL相当と思われるものも作り使っています。常点灯用の20kHz位の周波数が高めのパルス電源です。その挙動を見ると確かにこのタイプの電源と、KATOコアレスモーター搭載蒸機との相性はあまり良くない、という印象です。具体的にうちのパックの挙動を書きますと、ツマミを絞っても非常なスローで動いてしまう、という現象と、純直流や低い周波数(150Hz位)のパルス電源に比べ、微速域(秒速1〜2cm)での不安定さ(線路の段差、ロッドの引っかかりなどでギクシャク)が見られます。モーターはゆっくり回りだすが、微速では何か不安定。他のパックに比べると微速時のトルクが弱い感じです。これにモーターの起動電圧の低さが相まって、狭い範囲でのツマミの操作にストレスを感じる、という具合です。「多少暴走気味」というのがどの程度のものか判断しかねますが、私なりにお言葉どおりに受け止めての印象では、そこまで悪くは無いという感覚です。

(文字数制限で以下に続く)
バラックモデル
2014/07/28 20:17
銀狼モデルロード様
(文字数制限で上からの続きです)

 もちろん私のはTOMIX製品とは違います。ネット上の評では、「Nゲージ蒸気機関車」2011年メモ欄“TCSパワーユニットN−600(トミックス)”ではN-600よりスタートが弱い感じに書かれています。パック、車両とも、個体差があるでしょうから、「多少暴走気味」のような状態になる場合もあるのかと推測はします。
 お持ちのパックのままでの対策は無理としても、こちらの「Nゲージ蒸気機関車」の記事は参考になると思います。

 私自身は、スロー運転鑑賞では低い周波数のパルス電源をメインで使っています。拙ブログ「安上がりのパワーパック」でご紹介した秋月のキットです。うなり音がうるさいとよく言われていますが、うちのKATOのコアレスモーター機では音も小さいです。なんとか常点灯でき、スローもバッチリです。コレも個体差などで状況が違うとお感じの方もいらっしゃるかと思います。
バラックモデル
2014/07/28 20:19
どうもありがとうございます。なにぶん、電子工作や電気配線などあまりやらないのでハンダ付けが苦手で、手を出していないのですよ。プラ工作が主で接着作業だけは上手くいくのですが・・・まぁ、ぼちぼちやってみましょうかな。
銀狼モデルロード
2014/07/28 22:41
すみません、先程発見したことなのですが、KATOのパワーパック「スタンダードS」がパルス式であることがわかりました。どのようなことかと言いますと、直流式のパワーパックは、AC−DCアダプタを使用してアダプタ内で整流していますが、スタンダードSではAC−ACアダプタを使用して、本体内にて「全波整流」をしているので、出力は120Hzほどのパルスになるわけです。一応持っていたのですが、前にも言ったようにハンダ付けが苦手なので(手持ちのレールは全てトミックス製品)コード同士のハンダ付けが出来ずにいましたが、なんとかやることができ、スロースタートを楽しめるようになりました。ですがこれは意外な発見でした。
銀狼モデルロード
2014/08/10 19:47
銀狼モデルロード様

 これは貴重な情報ありがとうございます。やりましたね!ハンダ付け。この趣味を続けて行くためには、少しずつでもハンダ付けは身に付けてゆくのが良いと思います。

 うちの、市販品としては唯一手持ちの(とはいえ分解して組みなおした)パワーパックがKATOの「スタンダード」です。安くて使いやすいものでしたが、アダプター式になってからの状況は未確認でした。KATOさんのことですから本体の回路はスタンダードと同じトランジスタ1個のシンプルなものと思います。アダプターがAC-ACなら「スタンダードS」も同じ「脈流」出力でしょうね。

 ところで、一般に「パルス式」といわれるものは一定の電圧(普通は12V)をON−OFFするものです。ONの時間が長くなれば回転数も上がるという仕組みです。ACからトランス、ブリッジを通じての「全波整流」をトランジスタで制御するものは「脈流」と言った方が良いと思います。要はアンプですから「脈流全体」の電圧を上下させて回転数を制御します。

 それでは、新しい蒸機のスロー運転をお楽しみください!
バラックモデル
2014/08/10 22:59
こんばんは。以前から愛読している者です。
ウォームの逆駆動の件ですがC57も個体差はあるようですが逆駆動できます。
といってもレイルに押し付けてなんとか、といった調子ですので先にロッドがばらけたりしますが...
D氏の三条ウォーム利用の記事発表から20年以上経過しましたがようやく二条以上のウォームが大量生産品に使われ始めたかたちですね
一式陸攻
2016/02/01 01:18
一式陸攻様

 はじめましてこんばんは。なんと、逆駆動のご報告ありがとうございます。私は勇気(?)が無いのでそこまでは確かめませんでした。
 しかしちょっと欲が出ますね。KATOさんがD52あたりを低回転数の太いコアレスと3条ウォームの仕様で出してくれれば・・・。Nゲージでも単純に貨車に押されて逆駆動位は充分ありそうですね。実物の慣性を感じるような動きになるかはかなり疑問ですが。
バラックモデル
2016/02/01 23:57

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