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KATO C12 分解とカプラー

2015/07/21 18:36
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 やはり出ましたC12。C56が出た時点でいずれこいつも、と誰もが思ったC12。手にした第一印象は、小さなレイアウトを作りたくなる、良く走る小さな機関車、とのキャッチフレーズ通りです。走行性能はC56同様のなめらかさ、急カーブ(メーカーの公称でR150通過)もこなします。 今回の新機軸である先輪、従輪双方からの集電も効果を上げ、ポイントの連続するような線路でもスローで止まらずに走ります。小スペースで手軽に遊ぶロコとしては十分な実力です。これで定価が1万円。蒸機に興味が無くても、この走行性能だけで欲しくなる方も多いのではないでしょうか。ディテールだってすごいです。Nゲージもここまで来たか、という感じ。
 一方、このキャッチフレーズで、この形式で、一向に変わる気配のないカプラー関係にもどかしさを感じました。こちらは運転の仕方にもよるし、私個人の感想かもしれません。

 動力部に関しては、製品の基本的な構成はC56と同じだと十分予想(というかほぼ判っている)出来ますが、それでも一応分解しました。念のためです(笑)。

 最初にお断り。この記事の写真は購入当初の状態とは限りません。お間違えの無いように。

 破損のこと。

 前部左のステップは破損しています。いつ壊れたのかは分かりません。特に力を加えるような持ち方、加工をした覚えはないので、もしかすると最初から?この辺は店頭でチェックしようにも老眼の私にはとても無理です(笑)。

 加工のこと。

 カプラーはマグネ・マティックカプラーに付け替えています。特に前部は台車マウントに加工していますから、端梁はくりぬいてあります。交換前に写真を撮るべきなのですが、先走っていじってしまいました。申し訳ありません。混乱を招くような写真もありますのでご注意ください。
 キャブ内が薄緑に見えたり椅子が青く見えたりする写真があるかもしれませんが、購入後の色差しです。

 では恒例の動力部の分解です。

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 フレームはC56とは別の、C12専用のもので、車体に合わせて前後に長くなっています。それ以外はC56に似た構造ですが、細かく違いがあります。

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 先、従輪に集電機能を持たせるための丸い突起が前後にあります。従輪側は、C56でもテンダーからの通電用に付いていましたが、同じようなものが前側にもあります。既存の構造を素直に追加した感じです。サスペンション機構は、C56では第1動輪だけでしたがC12では第2動輪の軸箱にもバネをかけてあります。
 モーターから2条のウォームあたりの構成はC56と全く同じです。

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 また、C56とは違う点で、フロントデッキ下までダイキャストのフレームが伸びています。集電の面では重量を稼げるので歓迎すべき点です。逆に先台車にカプラーをマウントしようとするとここは結構邪魔になります。当たる箇所は削って対処しました。

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 第2動輪用のバネは線バネです。ギアがすぐそばにあり、第1動輪のような板バネではスペースが厳しいです。しかしそこに別部品の線バネを使ってまで追加した、ということは、ここも集電に関して効果が大きいのではないかと推察します。

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 一応フレームも割って、ギア構成も確かめました。モジュール、歯の枚数等C56と全く同じでした。実際の走り出しの滑らかさ、低速走行の性能もC56と同じ感触です。

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 さて、メーカー発表にもある通り、この製品では先台車、従台車共に「両輪からの」集電機構を組み込んであります。 片側の車輪だけなら構造も簡単で、古いC62やC57でも集電はしていたと思いますが、両側の車輪となるとちょっと面倒です。従台車からの集電なら古くから行われていましたが、先台車の両輪から、となるとこのC12が初めてだと思います。

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 車輪の構造は、一般のKATO製品の中空軸車輪の絶縁軸を短くしたもの。その両側の金属車軸の剥きだした部分に集電線を当てています。集電線にスプリング効果は無いですが、台車のバネが両輪を線路に押し当てる構造です。集電線の後方は、左右絶縁されたフレームの円柱に接します。前述したように、C56その他最近のKATO蒸機同様の、テンダーからの通電と同じ首振り可能の構造です。

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 スポークの抜けた車輪で集電出来る、というのも結構意義が大きいと思います。集電出来る車輪の選択肢が増え、蒸機に関してはいざとなればどの車輪からも集電出来ることになります。
 写真では参考までにC56の動輪の金属部分と並べてみましたが、こうして見るとこれら二つは同じような工程で作られていそうだな、と推測してしまいます。車輪の奥行きを削り、板状になったところをプレス(?)で抜いたような感じです。

 この形状に賛否はあるかと思いますが、実際に走らせてみるといろんな角度から見てもスポークの透過が良く、存在感というか、動輪に負けずにせっせと回転しているのがはっきりして楽しいです。

 ただちょっと心配なのは、ここ、汚れが溜まりやすいのではないか、と思います。もともと蒸機の先輪って、汚れが付きやすくありませんか?まだまだ十分走らせた訳ではありませんが、すでに何度か掃除しました。表面の質もちょっとざらついた感じです。車軸は外しやすい構造なので容易にクリーニング可能ではあります。

 ところで現時点で予告されている製品(旧型国電)の解説に、新たにスポークの抜けた車輪を採用、とあります。もちろん集電可能のはず。先輪用でなく台車に付く形ですからピボット軸ですよね。Assyで手に入るようになれば工作派の方々がいろいろ使いそうです。スポークの抜けた集電車輪でテールライトの点く「トフ」「トブ」なんか作りたいです。作る前に出たりして(笑)。

 それはともかく、以上の集電機構、目にしてみれば予想通りというか、既視感があるというか、多分みなさん同じように「やっぱりこうなるよな」と思われた構造ではないでしょうか。ウェブの開発者インタビュー記事によると、このあたりのバネのバランスには結構なご苦労があったとのこと。量産品への導入は(しかもこの値段で)なかなか難しかったのかもしれません。それでもKATOが作ればこうなるよ、と実際の見本と効果をはっきり示してくれました。本当に小さなレイアウトが作りたくなる、良く走る機関車です。

 で、小さなレイアウトを作って見ました。

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 …すみません(笑)。机上に組線路を展開しただけです。風景は頭の中。貨物船やら路面電車とのクロスやらを思い浮かべながらぬるぬる走らせましょう。ほら、楽しい楽しい!

 え、でまあ、私は基本ぐるぐる回しをのんびり眺める派なのですが、やはりポイントの並ぶ線路は面白いのです。たとえ机上の組線路での遊びでも、引込線を付けておいて貨車なんかを並べ、気が向いた時に機回しや付け替えも出来るようなセッティングが好きです。
 雨宮の記事(その1その2)で走行試験に使ったプランを少々ゆったりさせ、エンドレス、ターンテーブルを組み込みました。TomixのR140、ミニカーブポイントの渡線に30度のクロスがありますから、下手な機関車はすぐにエンコです。

 うちでは、ここを安心して走らせることの出来るロコは例の雨宮とC56、それに今回のC12位。BBボギーの電機はスローではエンコ率が高いです(今ちょっと手入れが至っていないからかも)。
 C12にはメーカー公称よりややきついカーブですが、私の買った物は無理なくスローで走りました。単なるぐるぐる回し、列車単位で引込線に入り、今度は別の列車、という程度なら十分楽しめます。

 しかしC12となるとバック運転もやりたい。機回し線を使って列車の後部にロコを付け替えて、といった運転もしたくなります。このプランでは無理ですが欲を出せばシーナリーガイド掲載の「川正線の一日」のようなダイヤを組んだリアルな運転も…!。古い本の話ですみませんが、C12の運転となると真っ先にあの記事を思い出してしまいます。

 そういった運転となると、このC12は製品のままでは弱いです。なにも「川正線」まで出来なくても、機回しでバックで出発、程度の入れ替え運転は付属パーツ取り付け位で対応出来てほしかったのです。レイアウトのプランを練るときだって、機回しが出来るか出来ないかという要素は非常に大きいと思います。

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 このC12、C56同様後部にマグネティックナックルカプラーを仕込むことが出来る仕様にはなっています。別部品として調達しなければなりませんが、付属のナックルカプラーと違い、トリップピンが付いています。アンカプラー上で自動解放も出来る、と言われています。
 客車の編成なら調整次第でうまく作動するかもしれませんが、軽い貨車を2〜3両となると、ちょっとはじいてしまい、どうも不安定です。貨車の小編成も味がありますよ、とわざわざHPで勧めている位なので、それならそれも自動連結、解放をさせたくなります。

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 そうなるとどうしても作動の軽い従来のマグネ・マティックを付けたいのです。うちの状況を白状すれば、軽い貨車の1両単位の解放は、マグネ・マティックでも結構失敗しがちなのです。これは別の解決案を妄想中です。
 で、それはともかく、マグネ・マティックを付けようとすると、製品のカプラーポケット、MT7には1oは高いです。

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 加工の範囲が大きくなりますが、ここはもう少し低く収まるボディーマウント用のショートシャンクをあちこち削りながら収めました。ポケットの床も少し薄く削ったのですが、それでもまだちょっと高いです。おまけに加工中にナイフを滑らせ、車軸が外れるようになってしまいました。何とか直しましたが満身創痍の状態です。Assyが出たらポケットの床をくりぬいてMT7を付けてみようと思います。

 またこの従台車、カーブから直線への侵入時、台車が傾いたままになりがちでした。台車にマウントしてあるカプラーも一緒にセンターからずれますから、自動連結のためには支障が出ます。集電性能確保のためのバネの影響もあるかと思いますが、私の経験上、1軸の先、従台車で結構見られる現象です。

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 Nゲージでは車輪の横動は線路に対しても、台車に対しても共に遊びを大きくとっています。台車はふらつきがちで、いつもピシッと中心に来る訳ではありません。
復元装置を付けるのも難しそうなので、車輪側で台車の姿勢を誘導してやりました。

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 車輪の横動の範囲が大きかった(といってもほんの少し)のでプラ片を貼って制限し、直線部にかかった時の、車輪が台車を押し戻す量を増やしました。完全にはセンターに戻りませんが、連結には問題が無くなりました。横動制限用のプラ片の摩擦で、車輪の回転に影響があると困りますが、これは今のところ大丈夫のようです。

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 前部カプラーも、R140通過のためには、現状では台車マウントにせざるを得ません。ディテールの細かいところにナイフを入れるのには抵抗がありますが、運転の楽しさ優先ならこちらです。個人的には、後部カプラー同様、台車マウントでフロントビーム切り欠き、という仕様で出しても良かったと思います。

 現状のKATO蒸機の製品の流れから、この構造は受け入れられにくいとは思います。しかし製品の仕様での、自動連結すら諦めた単純な重連用カプラーもちょっと…。大型機ならともかく、タンクロコのC12にこれではもう投げやりな感じがします。難しいところだとは思いますが、バック運転も魅力の形式ですのでC56と共に何とかならないでしょうか。別売りでオートカプラーをマウントした先台車と交換用のフロントビームを出すとか…。

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 私はとりあえずマグネ・マティックのMT7をあちこち削って付けました。集電面でC56から進化した先台車の、絶縁のために太くなった車軸が災いして、C56の時よりやや面倒な加工になりました。ホワイトメタルのカプラーポケット後部を、バネが出そうな位ギリギリまで削りました。集電機能が裏目に出ましたが、スペースの無いところなので仕方ありません。また、先述したようにフレーム先端も少し削る必要がありました。

 ちなみにこの絶縁のための中空軸は、Bトレイン用等の1.0oのモーター軸に固くはまりますから、回しながらカッター等で細く削ることが出来ます。カプラー側を削らずに車軸を細くして対応、という手もありそうです。

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 面倒ついでに、カプラー周囲の切り欠きが少しでも目立たぬようにする「目隠しプレート」を貼りました。製品の後部カプラー周囲のマネです。直線部ではそこそこ効果があると思いますし、カプラー取り付け部分の補強にもなります。妥協案ではありますが、私はこの位の見た目で十分です。

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 ま、R140カーブではこの位ガバチョと口が開いてしまいますが…。しかし製品でも後部カプラーは最初からガバチョ仕様ですから、前部もガバチョで出して欲しかった…。ちなみにこのカーブ1/80に換算するとなんとR263ですよ。ガバチョ位いいじゃないですか。

 …この辺の感覚は人それぞれですね。あまり調子に乗るのはいけません。

 で、従台車で見られたカプラーのセンターズレは、先台車ではそれ程感じられないのでそのままです。こちらでは車輪の横動を制限すると、その分端梁の切り欠きも大きくしなければならなくなりそうです。

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 以上の様にカプラー加工には結構手こずりました。工作的に高い技術が必要な加工、というわけではありませんが、様子を見ながらの加工と調整はやはり面倒で、時間もかかります。
 もちろん私としては、こういった「何とか付けたぜ!」みたいな工作は好きです。でもメーカー様の工夫を「うししし、分解してやる」なんて言いながら覗いてゆくのも楽しいのです。

 KATOの蒸気機関車は、その都度新たな工夫が見られ楽しい限りです。今回はカプラーに関して結構文句を言ってしまいましたが、実はすでに開発中なのではないか?なんて勝手に期待もしています。そもそもカプラーで文句が言いたくなるのも、このC12の実力があってこそです。ポイントが連続した線路で止まってしまう機関車では、とても入れ替えには使えません。


 カプラーと急カーブ、というと真っ先に思い出すのは伊藤剛さんの8620です。小さな模型ではどうでしょう。「観賞時にはディテールを乱さず、運転時は急カーブ上でも機能するオートカプラー」…。Nゲージ蒸機のフロントに収めるというのは相当な難関ですよね!

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※製品付属のカプラーの連結解放に関しては、アーノルドカプラーを使えばまだ簡単に機能させられるかも知れません。しかし今回はアーノルドカプラーは除外して考えました。ここまで精密な外観の機関車に、アーノルドカプラーを使う人もあまりいないだろうと思います。
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 10


万年筆型ボール盤

2015/07/02 16:18

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 昔あった言い回しの「万年筆型〜」。万年筆型カメラ、万年筆型顕微鏡、万年筆型無線機等々…。よくスパイや科学者が使っていましたね。超小型の秘密兵器を胸ポケットに忍ばせる事が出来る、そんな妄想が広がる言葉でした。

 え〜、またしても半年のご無沙汰で申し訳ありません。何だか偽ブランドの広告のような写真で再開いたします。長く更新が途切れると広告も出ようというもの(笑)。懐中ボール盤のモーターを焼いてしまったのをきっかけにすっかり手が止まってしまいました。
 あきれたことに新年度を迎えてやっと、指にけがをしながらモーターの修理を済ませました。工作のカンも鈍り、おまけに視力も一段弱くなった感じです。ちょっと情けない気分で「懐中ボール盤、予備にもう一つあれば」なんて思いながらジャンクパーツをかき回したりしているうちに、脳内に溜まっている妄想の一つを思い出しました。それがこの「懐中ボール盤2号機」たる「万年筆型ボール盤」です。

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 ボール盤といっても超小型のものです。金属板なら薄板(0.5o程度まで)に0.3o位までの小穴をあける程度の力しかありません。またルーマ型のシャンク径1.0oのドリルしか使えないのは、懐中ボール盤初号機同様です。

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 モーターは何とKATOの7o径のもの。この使い方ではトルクが不安ですが、よく切れるドリル刃なら9V、120mA位で上記の金属板に小穴がスコスコあきます。
 スプリングは後述のドリルプレスのためのもの。ちょうど良いサイズ、強さのものがジャンクの中から出てきたのが制作の大きなきっかけになりました。初号機のものと同じですが、いったい何に使われていたものかわからずじまいです。

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 モーターの手配はKATOHOのEF510の動力台車のAssyから。
ジョイントもその台車付属のものを利用しました。
 筐体は真鍮のパイプを中心に、鉛筆補助軸、真鍮のペンのキャップ、ホームセンターのスチロールパイプ。電源端子はIC基板用のよくあるもので初号機と共通仕様。それを留めるプリント基板がデザインに一役買っている感じです。

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 電源は内臓出来るとカッコ良かったのですがとても無理。それに本体にスイッチを付けると押したときにどうしてもドリル保持に影響が出ます。なので電源、スイッチをまとめたバッテリーパックをお供に作りました。見かけがちょっとロボ君みたいですね。

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 初号機はパワーパック+フットスイッチでしたが、ドリル刃が食い込んだ時の逆転操作がちょっとやりにくかったので、すべて手元で出来るような構造にしました。スイッチは小指の力で押せる位のもの。電池の蓋を押して順回転、ロボ君の目玉を押すと逆回転です。延長コードを作れば足踏みでも操作可能。100円ショップの箸箱やヘアピンケース利用です。
 また上記のように初号機とコネクターは共通なので、一応パワーパックからの給電操作も可能です。

 使用スタイルは2通り。

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「万年筆型」というからには、まずは筆記具らしく手持ちでピンバイス代わりのモータードリルとして使える形態。ピンバイスよりしっかり支えられるのが良いです。反面穴のあけ始めの手加減が効きません。電動でスイッチを入れるといきなり回り出しますからドリルの先が滑ったらおしまいです。

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 アタッチメントを付けてボール盤。上記スプリングとアタッチメントが一緒になって、ドリルプレスの役割を担います。これで「ボール盤」と呼んで良いのか怪しいのですが、とりあえず呼ばせてください(笑)。
 ワーク(加工する材料)上に置き、押し下げて穴をあけます。写真には置いていませんが、作業時にはカッティングマットなどを敷きます。そうでないと貫通時に机に穴をあけてしまいますから。
 ドリル刃は一杯に押し下げてもアタッチメントから数ミリ飛び出る程度です。そういう意味でも薄板専用です。

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 で、写真にいちいち定規が写っているので気になっていた方もいると思います。今回の2号機では「穴の位置を決めるのに定規を使えないか」というのが一つの目標でした。

 定規に当てて使うには、本体を押し下げたときちゃんと毎回同じ位置にドリル刃が降りなくてはなりません。初号機ではこのあたりに弱点がありました。
 素人の雑な考察なので間違っている点があるとは思いますが、一応考え方の流れとして記しておきます。

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 初号機では、押し込む力とスプリングが戻す力、それぞれのかかる点が離れているのでモーメント(回転力)が発生するはずです。ドリルプレスにも微妙なガタがあり、ドリル先端の位置がズレがちでした。そこで2号機ではこれをなくすため、どちらも本体の中心軸に揃うような構造を考えました。万年筆型になったのはこのためです。厳密には押し込む時の持ち方と床からの抗力で微妙にズレるように思いますが、初号機よりはだいぶマシだと期待しています。

 とにかくドリルの真上からまっすぐに押し込む、というのが目的です。

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 さらに、本体を押し下げるときドリルプレスがガタがなくスライド出来る状態であることが必要です。アタッチメントのパイプ内径、スピンドルケースの外径の寸法は非常に重要です。この辺手持ちのものと買い出しの組み合わせで何とかなりましたが、手持ちのスプリングまで具合よく収まったのは割と奇跡的かも。ジャンクでも捨てずにとっておくと、たまに(ものすご〜くたまに)良いことがあるものですね。

 作例では、以前東急ハンズで買った「真中パイプ」(真鍮ではなく真中との表記)外径8.0o、肉厚0.5oのものに、最近同じく東急ハンズで買った「真鍮パイプ」(こちらは正しく真鍮)外径7.0o、肉厚0.5oを組み合わせました。私の感覚でいうので怪しいですが、ガタは感じません。ボークスで売っている肉厚0.45oのシリーズだと、たとえば8.0o径は内径7.1oとなり、7.0o径のパイプと組み合わせるとスライドは軽いですが、ガタが大きすぎてダメです。

 で、長々御託を並べましたが、まだ出来たばかりで実験が十分ではありません。定規に当てての穴あけは今のところこんなもので…

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 右から0.2oの穴を20個ずつ。1o間隔、0.5o間隔その1、同じくその2です。

 これでもある程度対策をした後なのですが、最大で0.1o強のズレが見られます。ピッチが細かいとズレが目立ちます。ストラクチュア工作で、1o間隔位のピッチなら平気で使いますが、0.5mmとなるとまだまだ安定感が足りません。まぁ、実際の筆記具でも定規でこのような点線を揃えて引くのは結構大変です。
 写真に見える白のプラ板は、アタッチメントをワークから少し浮かせるためのものです。ワークにベタ置きだと、溜まったキリコにアタッチメントが乗り上げてグラつき、位置がズレるのでその対策です。0.1oもズレないように、というのはなかなか微妙なものです。このへんの作業は本格的な工具を使うべきで、お気軽に定規で、というのは間違っているのかもしれませんね。

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 目盛はアタッチメントにつけた十字の筋を使って読みます。この写真は筋がわかりやすいよう本体を抜いた状態で撮ったものですが、ふと「オプティカルセンターポンチ」のようにならないか?との妄想が湧いてしまいました。しかしそれはとても素人が手を出せる領域ではないですね…。

 一応この先も使いながらアタッチメントの構造を改良していきたいと思います。

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 ところで…。

 揃った穴をあけたいなら、ちゃんとしたボール盤にXYテーブルを買えばいいんじゃないの?

 いかにも!

 工作を進め、どんどん作品を完成させたい!というのなら、全くもって「いかにも!」なのです。

 しかし前から私はそういう「完成欲」より「工夫欲」の方が強いのだな、と感じています。普通は工作を進めるために工夫をすると思うのですが、工夫をするために工作をしているんじゃないか、と思う時があります。そして工作にかかるのはまだいい方で、工夫を考えるだけで楽しんでしまう事がずっと多いです。年々それがひどくなります。

 逆に言えば「完成欲」がめっきり弱くなった、ということなのですよね。歳ですね。それでもあこがれの「万年筆型」のボール盤、形だけですがなんとか完成しました。今回は割と形の方が重要なのです。実は子供のころから妄想していました。万年筆型のドリル。ようやく手にすることが出来て結構嬉しく、眺めてはニマニマしています。

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あけてますよ

2015/01/07 19:32

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 あけましておめでとうございます。


 昨年後半はブログ更新も停止してしまいました。模型活動は全く無しに近い状態で、ちょっとした実験やとりとめのないアイディアの落書きをしていた位です。しばらく開けておきながら、ネタは相も変わらず年賀状のイラストのみ…。全く申し訳ありません。
 今年の年賀状は羊を数える図といった、正月なのになんだか不眠症的なものに…。元々寝付きの悪い性質なので、干支の羊がこれ幸いというのが正直なところです(笑)。

 幼少期、東京から母の実家に行く際に何度か急行「安芸」に乗りました。鉄道好きの私にとって相当刺激が強かったです。水銀灯に浮かび上がる車両基地、夜のホームの見慣れない人々に見慣れない時計の時刻、甲高いホイッスルの音にビクッとさせられ、通過してゆく貨物列車…。
 興奮して寝付けないどころではありません(笑)。「まだ起きている」としかられながらももう一駅、もう一駅と遮光カーテンの隙間から外を眺めていたものです。

「安芸」は呉線のC62が置き換えになる前にも乗っていたから、糸崎では機関車の交換が行われていたはずですね。私達は尾道から航路でしたから、C62を「もう一駅」のところで見ることは出来ませんでした。


 今でも高松に行くのに、夜行の「サンライズ瀬戸」を使うことがあります。昔の夜行列車とはだいぶ違いますが、やっぱり新幹線よりこっちが好きです。普段あまり飲まないのですが、わざわざウィスキーのポケット瓶を買って乗ります。相変わらず寝付けないことはありまして、関ヶ原あたりで雪になっているとちょっとなめたりしています。でもこういうの、B寝台の通路の補助椅子の方が断然サマになりますね…。昔ながらの、いわゆるブルートレインは今年で消えてしまうのは残念です。

 それでは本年もよろしくお願いいたします。



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ボールドウィンのキットで遊ぶ(その2)

2014/08/17 01:19
 模型の機関車のヘッドライトは、通常は進行方向に合わせて切替ります。運転の仕方によっては全く便利なものですが、進行方向が変わりがちな機関区や引込み線での運転ではせわしない感じです。実機の運転では何かルールがあると思いますが、少なくともちょっとバックするたびにいちいち切替りはしていないはず。
 このことは模型として割り切るという手もありますが、それだったら常時点灯もしくは消灯、という方が好みです。

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 そういうわけで今回は思い切って手動切替という構造を採りました。機回しをした時はちょっと手を添えてやらなければなりません。DCCなら手元で出来ますが、Nゲージの小型機では今のところハードルが高いです。

 我が家では低速往復チマチマ運転も多いので、これはこれで使いやすそうです。まあ、まだロコ自体完成していないので予測で言っていますが(笑)。ともあれこの辺、点灯関係中心に全体の構成も含めたイラストにしましたので、以下の解説と合わせて御覧ください。

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 スイッチ本体は針金(0.4mm洋白線)です。1本で曲げ、動きの安定用に円弧状の帯板をつけています。

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 操作する側の先端は、スコップの柄らしく整形しコールバンカーに出しています。石炭をつけたプラ板で塞げばなんとなくスコップが刺さっているように見えるはず。スナップスイッチならぬスコップスイッチ(笑)。スナップは利かず、カタカタ動きます。

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 車体には右(非公式側)レールの電気が通じていますから、それを屋根裏のプリント基板に導くだけの原始的なものです。前点灯、後点灯、消灯のほか、ちょっと微妙ですが前後両点灯も出来ます。
 スイッチは組立時にキャブ後妻板に挟むだけです。こんな風に狭いところで動きますから、ねじれたりグラグラしたりではショートの危険があります。前述した円弧状の部品はその防止用です。

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 何かハンドブレーキ関係のように見えれば、と思ってこんな形になりましたが、やっぱりちょっと不細工ですね・・・。

 で、スイッチ切替にすると、LEDを使う場合は一工夫必要です。極性がありますから、前後進両方で点灯させるためには普通ブリッジダーオードを挟みます。市販品のLED室内灯基板はそのタイプです。

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 作例では、イラスト中の回路図にも描いたように、簡単に2個組にして極性を背中合わせにしてあります。前進では右、後進では左が点くことになりますが導光材を通すと差はわかりません。
 1個余分に要りますが、LEDも小さく、安くなりましたし、ブリッジを挟むより省スペースです。この回路で逆電圧保護もされています。
 1608タイプという1.6mm×0.8mmのチップLEDと、750Ωの、これもチップの抵抗を御覧のようにプリント基板にまとめ、煙室に差し込んであります。基板は千石電商で見つけた0.4mmの極薄のものです。

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 煙室部は切り離したので接点式です。煙室前面は一応差し込み式で、万一の導光材交換時に備えました。リア側のLEDも基板にまとめて差し込み式にしました(下写真)。

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 屋根裏の基板はネジ止め式です。ネジ穴を間違えて開けています(泣)。屋根は前を引っ掛けて後からランプを差し込んで固定です。

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 屋根裏に引っ掛け用の金具をハンダ付けという形です。

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 ついでにコールバンカーの縁取り。大きなサイズの模型では線材をハンダ付け、となるのでしょうが、Nゲージでそれをやる自信はありません。0.2mmの洋白板から大雑把に整形したものをハンダ付け後ヤスリ仕上げです。写真のように持ち手をつけたままハンダ付けをし、最後に切りました。


 しかしまぁ、相変わらずのくどい分解式ですね(笑)。破損とか交換時の便宜を考えるにしても、これでは逆に壊れやすそうです。
 ただ、ここをこう作ると分解式になるな、と思うとついつい・・・コレが私のクセのようです。それなりに丈夫になるよう意識はしているのですが、もうちょっと一体にまとめる方が良いでしょうね。

 でもイラストにするときは楽しかったです。前回はばらした部品を並べてみましたが、それらがこういう風に組み合わさるのだ、と言うのは写真一発では撮りにくいです。自己満足の漫画絵でも、構造の概念が表せると面白いです。バカ分解ほど描きがいがある感じ。面倒くさいですけど。

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 あとはホワイトメタルのパーツを整えて塗装なのですが、汗の出る季節にこういうペーパーがけの作業がどうも嫌で・・・。ああ、地道はどこへやら。そんな調子ですから仕方なくイラストと手持ちの写真でお茶をにごした次第です。

 なんだか今回ピンボケ写真ばかりですみませんでした。

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寝付けない時の眠り方など

2014/08/01 00:04
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 暑中お見舞い申し上げます。

 今年も猛暑がやってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょう。私はわりと暑さには強い方だと思うのですが、それも年々弱って来ています。数年前は夏でも平気で工作出来ていたのですが、最近はダメですね〜。画はまだ平気で描けるのですが、この先どうなるか・・・。

 2〜3日前までは、夜が涼しくてよかったですが、また熱帯夜ですね。

 私は寝付きの悪さには自信があります。無駄な事を考えてしまうのがいかんのです。でも寝る前に模型のことなんか考えるのって好きなのです。最近は手動式ターンテーブルのシンプルなロック機構に夢中です。後は実験検証ですが、あれ?またターンテーブルを作ってしまうのか?と手を付ける前から呆れています。

 また、突然ヘンなことを考えたりもします。「脳細胞は何億もあるのに、なんで意識ってひとつなの?」とか(笑)。実は「意識」だの「時間」だのの事を考えるのも好きなのです。しかしこういうことを考えているとなかなか寝付けません。いつの間にか眉間にしわを寄せています。

 実はこの「眉間に力が入る」というのが私にとっては眠りの大敵です。長年の経験からそう思います。眉間、顔面の力を抜くと、比較的寝付きが良い感じです。そういえば子供の頃、「眠る瞬間」を捕まえようとしたことがありましたが、今だに捕らえられていません。

 顔面の力を抜き、何も考えないようにする。そうするとやがて次々と脈絡の無い映像が浮かんで来る・・・。たいていはその日やったことに関係するような映像が多いです。こうなればしめたものです。そのままそーっと、何も考えないように・・・決して「おや、この映像は何だろう」とか、「こうして一日の記憶を整理しているのかな」なんて考えないようにします。眉間にしわが寄ります。

 でも突然お色気画像とか、逆に恐怖映像とか出てくる時があります。びっくりするのでやめて欲しいです。



 しかし意識のことは不思議で仕方がありません。宮沢賢治さんの「春と修羅」の序文に「わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」という言葉があります。若いころ読んで、序文しか憶えていない(しかもうろ覚え)のですが、この有機交流電燈という言い方は大変美しく、感銘を受けました。

 イラストでは「わたくしといふ現象は 脳細胞が漂ってゆくところの 有限時間の模型である」なんて事を考えながら描いてみました。うう、なんのこっちゃですね。「時間の模型」は言い過ぎかなぁ、「時間を変数とする写像」か・・・。しかしわざわざ「有限」と考えてしまうところが悲しいぞ(笑)。

 子供の頃は無限だと思ってましたが、夏休みもお盆を過ぎた位の年齢になってまいりました。まだ人生の宿題が山ほど残っているような・・・。

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KATO(HO)はやぶさ動力台車分解

2014/07/10 19:30
 すっかり分解野郎ですが、今回は小ネタですよ。

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 油断しているうちにKATOのはやぶさ(HO)の発売からはや半年。この製品は台車周りの取り付け寸法が共通化されており、容易にトレーラーの台車を動力付きに交換できる設計だそうです。Assyパーツとして動力付き、無しの両台車を出しています。使われているモーターはNゲージの蒸機と共通の、7mm径×20mmのコアレスモーターです。そのモーターのストックとして、またちょっといじってみたいこともあって、動力付きの方を買って調べました。

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 いきなりですが今回のはやぶさは3条ウォームです。このタイプの動力台車、2年ほど前に出たHO(KATOさんはこの表記)のEF510が最初です。当時も1つ買って調べ、2条ウォームでなんとか逆伝動が可能、と言うことを記事に書きました。
 多条ウォームの採用は、編成中複数の動力台車を組み込んでの走行で、下り坂でのトレーラー、他の動力台車に押された時のウォームのロック現象を回避するため・・・だと理解しています(相変わらず自信は無いですが)。今回は新幹線車両ということで、さらにスピードアップを狙う目的もあったのだと思います。

 ともあれ、2条から3条になったことで、ずっと軽く逆伝動が出来るようになっています。2条ウォームのEF510の台車では割と強くレールに押し付けないと逆伝動しなかったのですが、コレはちょっと押さえるだけで転がります。ネット上の情報ですが、車両セットの取説には勾配で止めると坂を下ってしまうことがある、と書いてあるそうです。

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 軸距28.5mm、車輪径9.8〜9.9mmです。台車に1箇所ずつゴムタイヤがあります。
 ウォームホイール18T、同軸の11Tより車軸18Tに伝動(モジュール0.3)。ウォームが3条ですからギア比約9.8:1です。

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 いじってみたかったのは以上のような逆伝動関係のことです。しかし線路上で台車を押して、「おお、回らぁ」だけではちょっと・・・。大方は逆伝動云々よりパワートラックとしての性能はどうなのか、というところが興味の対象だと思います。動力台車2つで6000円+税といった定価も魅力です。
 しかしNゲージしかやっていない私は16.5mmのレールは数十センチしか持っておらず、そこをチョコッとスローで走らせた印象しかお伝えできません。単体で何かの動力に、と目論んでいる方のご参考までにちょっと書きます。

 ギア比が小さいので微速走行ではレールの継ぎ目で速度がふらつく、止まるなどしました。秒速4〜5cmあたりになれば安定しますが、EF510の台車よりはスローは苦手な印象です。でもスタートの回り出しはゆっくりしているし、以前見たキドマイティーのパワートラックの走行よりはいい感じだと思います。コアレスモーターの威力でしょうね。音はかなり静かです。使ったのは純直流の電源です。

 単体で使うなら、集電のためゴムタイヤは交換したいところです。車輪は同じくAssyパーツのトレーラーの台車から手配出来ると思いますが未確認です。

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 またこの台車はボギーでの使用を前提とした2点支持です。ちょっと前後にガタつくので、やはり単体で使用する時は、片側の集電板を固定するなど支持方法を考えた方が良いかもしれません。
 車輪の輪芯部は1段へこんでおり、集電、支持用の燐青銅板は、それに合わせて曲げられています。スカートに隠れる台車ということで、カーブ通過で当たらないよう幅を押さえているのでしょうか?

 3条ウォームですから、もっとスローを、というなら2条や1条のものに替えられれば相当良くなります。ウォーム自体の寸法はEF510(2条)やNゲージのD51(1条)、C62(1条逆ウォーム)等が外径、軸径(4.7mm、1.5mm)が合います。手配が厄介ですけど・・・。

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 で、なぜか(笑)私のところには手持ちがありますので、1条(D51)のものと交換して走らせてみました。分解野郎の面目躍如です。3条(ピンセットで挟んである方)と1条では進み角がはっきり違うのがわかります。

 ギア比がいきなり3倍になりますから当たり前ですが、かなりスローが利いていい感じです。しかし微速を楽しむなら単体では集電がきついです。ゴムタイヤの交換、ウエイトの追加は必須ですね。

 盲点だったのは1条の方がフライホイールの効果が大きく見えること。同じ速度なら1条の方が惰走が長いです。ギア比を考えれば1条の方が高速で回っていますから当然の結果でした。

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 一般にウォーム交換はしないでしょうから、そのまま2個セットで電車や凸電等への利用が妥当なところと思います。激しく無造作ですが、一応写真のように2個組で線を繋いで往復させてみたところ、かなり滑らかに走りました。フルスロットルでは凄いスピードが出そうな感じですが、その辺の具合は線路が無いためわかりません。

 しかしこのタイプの動力台車、今後も増えるのではないでしょうか。KATOUSAのディーゼルにも既に使われているようです。16番小型車、Oナロー等の手軽な動力として期待される方も多いと思います。

 え〜、で、こうして記事にした上で言うのもなんですが、この動力台車、なんだか今品薄のようです。前回の記事のC57分解後、ウォームを検索していたら、はやぶさの動力台車は3条ウォームであるというブログ記事(「Scenery with Train 〜列車のある風景〜」RiHa様)を発見。自分でも逆伝動の手応えはどんなものだろうと実感したく、ついつい品薄のところ1台分買ってしまったというわけです。悪しからず。

 いずれはやぶさの再生産がかかればAssyで出回ると思います。タイミングの悪い記事ですみません。

記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 4


KATO C57 4次形 分解

2014/06/12 22:18
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 着実に車種を増やしているKATOのNゲージ蒸機、今回はC57です。こうしてみると、なかなかかっこ良いではないですか。私は古風なスポーク動輪が好みなので、実のところスルーしようかとさえ思っていたのです。しかし皆様ご存知のwebサイト「Nゲージ蒸気機関車」で発表された動力部の写真、これまでより滑らかな走行性との評を拝見し、やはり現物で確認したくなりました。

 一通り走らせて見ると、やはりスタートの感じが良いように思います。新世代のKATOの蒸機で、動輪径、軸配置など一番近いC62北海道形と比べても、低速のコントロールが楽な感じです。

 まあ、これは感覚的なもので、個体差もあるかも知れませんね。実は上記サイトの写真中、ウーム、どうやら改良されていそうだぞ…、と感じる所があったのです。早速分解して調べます。もちろんなくても分解しましたけど(笑)。

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 全体はやはり上記サイトを参考にバラしました。最初の取っ掛かり時点で迷わずバラせるのは非常に助かります。いつも参考にさせていただいています。ありがとうございます。

 感じた点その1

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 まずはウォームです。外径に比して進み角(ウォームの歯の傾き)が大きく見えます。2条ウォームです。以前C56を分解した時に見たものがまた出ました。ウォームの進み角は伝動効率に関係するそうで、角度は大きい方が効率が良いとのことです。C56のより細いですから、進み角は大きくなっています。
 また、逆伝動(車輪からモーター側に回転を伝える)もしやすくなっています。このC57はどうかな?と手で押してみるともうちょっとでウォームが回りそうです。同じ径の2条ウォームが使われている、KATOの16番のEF510の動力台車は逆伝動出来ましたので、もっとがんばれば(笑)きっと回るはず!・・・まぁ、無理はいけません。でも、押して動くNゲージ蒸機なんて、あったら面白いですね。

 で、フライホイールの効きはC62より良いようです。感覚的には、2条ウォームは効率が良い、逆伝動しやすい、と言う上の理屈に合う結果です。

 実際は逆伝動というと大げさで、あくまで「逆伝動しやすい」です。Nゲージ車両の慣性なんて知れたものです。フライホイールを回す、と言うよりは、止めにくくなっている、程度のことです。
 しかしこの「止めにくくなっている」ことが、下り坂や重連で機関車が押された場合のノッキング(ギクシャク)防止に役立っているのでしょう。
 ノッキングはD51498の開発時にも問題になったそうです。雑誌(RMM 2012 7月号)のKATO開発部インタビュー記事には、その時に「いかにウォームを回し続けるかがポイント」で、そのため「ウォームの前後にフライホイールを装備」とあります。2条ウォームはその効果をさらに高めているわけです。

 ところで16番以上の模型でも、こういった現象が起こっているのでしょうか?1条ウォームの蒸機が、長い貨車を牽いて下りにかかるとノッキング、とか。そういえば古くはインサイドギア用のパーツに、17:2など2条ウォームがありましたね。実は協調運転をスムーズにするための対策?

 感じた点その2

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 動輪のギアは、C62よりずっと大きいです。また、歯も細かく見えます。きっとギア比が大きく、その分スローが利くはず・・・?

 しかしウォームが2条と判明した以上、コレはちょっと怪しいです。2条ウォームでは1回転でウォームホイールの歯は2枚進みます。C62、D51に使われている1条のものの倍の回転数になります。同じモーターですから単純に考えて倍以上減速しないとさらなるスローは望めません。

 しかし運転した感じではC62よりスローが利く感触です。

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 で、どのくらいのギア比なのか。フレームを割って見てみます。

 余談になりますが、KATOの蒸機、かつてはフレームはネジ止めで組まれていました。しかし新世代になってからは絶縁のブッシュを介してのはめ込み式になっています。
 毎度分解の時は、合わせ目にドライバーを差込み、こじってフレームを割っていますが、今回特にはめ込みがきつく、ジワジワ30分ほどかけて外しました。ダイキャストですから無理にこじると曲がります。ASSYパーツは出ていますので交換は可能ですが、ここはなるべく外さない方が良いです。普通は外しませんね(笑)。

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 結局キズを入れてしまいました(泣)。

 それはさておき、肝心なのはギアの歯数です。ウォームホイールが23T、M0.3(23歯、モジュール0.3)で、同軸の11T、M0.25から第三動輪に伝えています。結構期待できそうです。

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 こちらが動輪のギアです。動輪のギアは外径寸法から割り出したものですから1枚前後するかも知れませんが、多分36枚です。

 で、コレらが正しいとして計算すると、2条ウォームと言うのも入れた総合のギア比は、約37.6:1です。C62は30:1でしたから25%増のギア比です。しっかりと減速されていました。構造上でもC62よりスローが利く設計になっていた訳です。良かった良かった。

 えー、簡単ですが以上です。効率の良い2条ウォーム、C62に比べて減速比の増加という改良点がありました。

 2条ウォームのことについては、私は勉強不足で解説にも自信が無いです。ついついゴチャゴチャ書いてしまいましたが、内容は疑ってかかってください。 

 それでも少なくともギア比は大きくなっています。個体差はあるにせよ、滑らかな発進、停止が期待できると思います。


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 画期的なリニューアルで登場したD51498から3年半、KATO蒸機はまだ進化を続けていました。この調子でいつかC55やC51が出るといいなぁ。出来れば8620、8850なんかも・・・さらなる進化と共に!


 以下、オマケなど。

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 テンダーのカプラーはマグネマティック(MT-7)を台車マウントにしてみました。先にTOMIXC57を改造のC54、KATOのD51498で試してみて、そこそこ使える感触だったので、このC57にも付けてみました。プラ板から作ったカプラーユニットを台車端梁にはまるようにして接着しましたが、ちょっとグラグラするので補強を当てています。

 重い列車を牽かせるのはちょっと不安です。無理せず車体側に付けるのが良いと思いますが…昔ながらの台車マウントが好き、という理由だけでやってみたものです。

 C54、D51の様子を写真で。

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 C54は簡単でしたが、D51は高さの調整用にプラ片を追加しています。カプラーの出方は、どちらも端梁の真上に洋白線のカプラー押さえが来るよう取り付けるとちょうど良くなりました。

 台車の首振りを邪魔しないように、本来は車体側のカプラーポケット周辺もカットする必要があると思います。
 しかし最近の製品のテンダー台車はあまり首を振りませんので、D51、C57ではそのままです。C54ではポケット両側を0.5mmほど削りました。

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 ラストでチョコッと出た給砂塔。ペーパークラフトのキットが出たときに、買おうか、どうしようか、と悩みながらいたずらしていたら、トラス部分が出来てしまったのでそのまま完成させました。メインのトラスはGMの火の見やぐらの幅を詰めたものです。

 手遊び的にこねくっていたのでややこしいですが、やぐらの×の部分を外して幅詰め、その後×を適当にカットしてはめ込みました。寸法がうまく合わず、一段ずつ上にずらしてはめ込んだかも知れません。なんだか面倒に見えますが、GMのキットはカットも楽でしたし、プラボンドでぺたぺた付くので割とすぐ出来ます。リベットもついているのがうれしいです。

 手すり、はしごはハガキと手芸(造花)用針金から。「灯台リニューアル」の記事内の技法です。後はプラ細工。グレーのプラ板を使ってますが、意味はありません。バルブ、パイプ状の部分はこれもGMの工場施設か何かのキットから拝借しました。

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 ターンテーブルに似合う機関区施設、買い物が続いたので、節約モードで自作になりそうですね〜(笑)。

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