鉄道模型机上の空論

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zoom RSS KATOリニューアルD51分解

<<   作成日時 : 2010/12/08 03:57   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 18 / トラックバック 0 / コメント 4

 KATOのD51がやって来ました。ネット上の動画で、早くから新規開発のモーターを使った動力の威力が発表されていましたので、非常に期待していました。実物を見ても、低速走行の滑らかさは抜群です。外観の精密さに負けない「動きの精密さ」を持つ量産模型。コレが1万円程度とは!

 軽く試走して様子を見た後、早速分解してやりましょう。うしししし・・・(バカ)。当然壊れるのも覚悟の上です。ああ、かわいそうに。うちにやってきたばっかりに・・・

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 えー、でもまずは分解の前に試走で気付いたことを書きます。うちで買った1台のみについての状況です。個体差があることを考慮の上、お読みください。


・スローでは常点灯などのパルス電源より、純直流の方が安定。

 常点灯などのパルス電源でスロー運転中、線路状態の負荷が増える(ポイント、微妙な勾配、線路の継ぎ目など)と速度が下がりました。秒速1cm程度に落ちると回転ムラも出ました。従来の蒸機ではまずは止まってしまう速度だし、気にするレベルではないでしょう。しかし純直流の電源では安定して走るので、電源との相性と言う意味で書いておきます。コアレスモーターであると言うことと関係ありそうです。
 また、パルスでは停止状態でうなりますが、純直流では音はしません。


・ヘッドライトの常点灯には工夫が必要

 モーターの消費電力がものすごく低いので、起動が早いです。メーター付の純直流電源での測定では0.8〜1.0V、10mA位です。この電源では当然停止状態ではライトは点きません。
 常点灯用パルス電源(N1000-CL相当の自作品)で様子を見ても、ある程度まで速度(秒速4〜5cm)が出ないとヘッドライトが点きません。客車の室内灯は点いているのにヘッドライトが点いていないのはヘンな感じです。ネットを調べたら基盤のコンデンサを外して解決した方がいましたが、うちでは未着手です。DCCを使えばわけないことですがちょっと不満です。車体内にはコード取り回し用の溝、テンダーにはスピーカー用のスペースも用意してある位だから、この辺はDCC前提の設計なのかも知れませんね。


・前進時、ジーからビリビリ、という音が出る。

 量産品として見ると文句を言うレベルのものではないと思います。走りが良すぎるため、欲が出て直したくなった、と言う感じのものです。直し方を最後に書きます。

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 さて、では分解です。ネットでは既に多くの方が分解写真をアップされていますので、ここではいきなり走行関係を中心に見ていきます。あまり計画性無く調べたので、写真の分解状態が前後しているところが多いです。ご了承ください。もちろん、以下に書いてあることをおやりになる場合、自己責任でお願いします。

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 まずはロッド周辺です。サイドロッドが関節式。可動部の多いロッドが狭いスペースによく収まっているのにビックリですが、逆にサイドロッド固定の1本だと曲線通過、特にD型機ではきつかっただろうと思います。
 説明書には最小曲線半径R249と書かれています。この半径では旧D51は雑な運転だと第一動輪が乗り上げることもありましたが、リニューアル品では余裕です。

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 モーターから第三動輪に伝動し、他へはロッド連動です。このため動きは非常に軽いです。ウォームを外すと、ちょっと指ではじいただけでしゅるるーと転がります。各動輪を指で回してみましたが、どの動輪からも滑らかに動きが伝わり、微塵も引っかかりを感じません。
 軸箱やベデスタルの感じは最近のC62やTOMIXC57とはまたちょっと違います。動輪をある程度横動させるためだと思います。TOMIXC57の記事で、横動等、軸のアソビは減らした方が回転の滑らかさには良いと思う、と書きましたが、このD51は程々にアソビを取ってあります。これは曲線通過のためと思います。

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 カーブ上に乗っている感じに動輪を横動させてみたところです。クランクピンの頭を埋め込みに近い形で収めながらも、横動とロッドの折れ曲がりで急カーブに対応出来ています。固定式でこれをやると、横動分だけロッドピンが出っ張ることになり、この幅に収まりそうにないです。
 サイドロッドの関節は、線路の上下方向の凸凹だけでなく、平面方向の対応にも有効に働いているのです。

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 もちろん第一動輪は横動を制限しないとクロスヘッドと干渉します。動輪押さえ板の第一動輪部分だけ、他より出っ張りを大きくして制限しています。このため分解時に押さえ板が素直に外しにくいかも知れません。

 D51のリニューアルと聞いて、スケールに収めるのにD型機だと曲線通過はきついものになるんじゃないか、と勝手に心配していましたが全くの杞憂でした。

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 で、調子に乗り、ミニカーブのR177に乗せて走らせてみました(笑)。前進では先輪と第一動輪が脱線してダメでしたが、バックでは先輪がちょっと片足を上げる程度でなんとか走りました。もしやと思いテンダーを外すと、前後進とも先輪片足上げ程度で走ります。少し回転ムラは出るようでしたが、ロッド類が干渉するような現象は見られませんでした。

 テンダーの干渉、シリンダー周辺を加工すればうまく走るかも知れません。まぁ、こういう使い方をするロコでないのはわかっていますが(笑)。

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 動輪の構造に関しては、輪芯裏側が少しへこんでいる以外、C62より前の製品である9600に近い物と思われます。
 実は私はKATOの9600を買っていないのではっきりは解りません。角ばった車軸による位相保持の具合などから推測しただけです。すみません。
 輪芯はTOMIXのように簡単に外せるものではなく、分解は怖いのでやってません。クランクピンは9600用と同じものが指定されています。

 では次にモーターから伝動関係、フレームを見ます。

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 TOMIXC57とよく似た動力部ですが、7mm径コアレスモーターを使用しているのが大きな違いです。この蒸機の性能はほとんどこのモーターで決まったのではないかと思います。

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 しっかりとKATOのシールが貼られています。自信満々と言う感じで頼もしいですね〜。モーターを外した状態で通電したら、0.2〜0.3V、3〜5mA位、1秒に1回転もしないほどの低回転で回り始めました。メーターの針が振れているのかもわからないくらいですので、読み取り誤差も大きく、あくまで目安としての数値ですが。

 D51に入れるならもっと大きくてもいいと思います。でも逆に言えばこの大きさで充分D51が走るということです。
 回転している軸に指で触った感触からすごく雑な比較をすると、今までの量産品蒸機のモーターに比べてもずっと力が強いのです。かなりの低回転の時に触っても粘り強く回ります。モーターは完全に一段階進化した感じです。

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 モーターを外す場合は、ツメのはまっている穴に爪楊枝などを刺すと持ち上がりますので、フライホイールと一緒にそっと上に引き上げて外します。
 コアレスモーターなので、この大きさのフライホイールだと、もうものすごく惰走します。こんなに惰走する機関車は初めて見ました。

 さて、ここから先はフレームの分解が必要です。ここはネジ止めでなく、絶縁ブッシュを介した圧入によるはめ合わせです。ここの分解は全くお勧めしませんが、私はギア比などを見たかったのでドライバーでこじ開けました。このときフレーム内側にキズを入れてしまいました。乱暴はいけません(笑)。

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 どうしてもこじ開けたい場合は、はめ合わせの二箇所(シリンダー部、火室上部)付近をドライバーなどでちょっとずつ均等に開いていきます。片側だけ開いていくとはめ合わせの突起を折ったり曲げたりしそうです。もちろんあまりヤワな材質ではないはずですが、フレームを歪めると台無しです。慎重にやります。

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 で、開けてみるとこんな具合です。

 第二動輪、第四動輪には、軸バネをつけてあります。第四動輪の方が強く押し付けられるようにしてあるのがわかります。バネのおかげで接地が良く、機関部だけで走らせた時の集電も非常に良いです。
 また、蒸機の模型、特にD型機では、カーブにかかると動輪のどれかが線路をたたくように上下しがちです。これがギクシャクの原因になりやすいのですが、このD51ではこの現象がほとんど見られません。これもバネの効果でしょうか?

 で、見たかったギア周りは至って普通。モジュールは0.3です。ウォームホイールと軸のガタが意外に大きいし、歯の形状も斜めになっていない単純な平歯車です。モーターやロッドに比べると、無造作な印象すらあります。

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 ギア軸は別部品で差し込み式。もしかするとフレームを割らずにホコリ除去などのメンテナンスが出来るような配慮でしょうか?フレーム分解はかなり御法度なのかも(笑)。

 ギア比はウォームから21T/14Tのダブルギア、20Tのアイドラーを経て車軸の20Tへ。丁度30:1です。

 ちなみに旧D51は大体33:1でした。新D51は旧製品より小さなギア比で、それを上回る低速性能を得ているのです。減速比だけで考えれば、新規開発の小さな7mm径のモーターが、旧製品のモーターの性能を軽く超えた、という感じです。これに非常に軽い動輪周辺の動きが輪をかけてます。

 発売前の走行動画を見て、素人予測で、きっと細かいギアを使いギア比を高くしてあると考えていました。去年のポートラムでは回転数の高い超小型コアレスモーターを、微細モジュールの高ギア比で減速して超スロー走行を実現していました。このD51も、と思っていたら逆でした。ギアで回転を落とすのではなく、モーター自体をゆっくり回るようにするという手段が取れるなら、磨耗やかみ合わせ等、機械的にも有利です。
 ただ、Nゲージの蒸機に入る小型モーターで、それが出来るものがなかなか無かったのです。

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 プラの厚み、配線の取り回しなど、いろんな都合もあるでしょうが、この大きさなら、大抵の蒸機に収まる、と期待してしまいますね。

 現在のNゲージ蒸気機関車に広く使われているモーターの原型は、37年前、KATOが作ったD51に使われたモーターです。新D51のモーターも、今後の蒸機の基準となって欲しいです。


・走行音の調整

 さて、試走した時の前進時にジーからビリビリという音。量産品として見れば問題にするような点ではないと思うのですが、後進では、特に低速時はロッド、車輪の音以外は無音に近いので欲が出ます。これは簡単に直りました。

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 車体を外して走らせると、前進時にフライホイールの軸が微妙にビリビリしているのを見つけました。軸受けのはまりが少し緩く、がたついています。細く切ったセロテープを左側だけ貼り、きつくはまるようにしてやりました。これで前後進とも静かな走りになりました。

 フライホイールの軸受けは、左右のフレームに挟まる構造ですから、フレームがちゃんと合わさっていないとがたつきます。私は何度かフレームを分解したので、それでもゆるんだのかも知れません。しかしビリビリする音は分解前からしていましたので、最初からゆるめだったのだと思います。

 ネットでは走行音についていろいろな感想があるようですね。個体差が出やすいのでしょうか。うちに来た1台は去年のTOMIXC57より低速性能、回転の滑らかさは安定しています。ギアやロッドの音はC57の方が静かです。

 とは言え、この辺はレベルの高いところでの話。C62に始まりC57、D51とNゲージの蒸機も進化の時代に突入といった感じです。この調子で毎年、高性能蒸機の新製品が出て来るのでしょうか・・・!?

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
どうも、明けましておめ・・・じゃないですな。いや早速の分解調査有り難くあります。外観も然ることながら、個人的にはやはり動力!!流石カトーです。確かに従来のように歯車比を稼ぐのではなくモーターの特性を活かすのもありですね某社の16番の高級品に採用しているのも納得です。コアレスモーターは手で回したときのコリコリ?(コッキングと云うらしい)がなく低速がなめらかなんだそうで、また逆駆動できるコースティングギアなどには指定されているようです。ただこのコアレスモーターにウオームギアを直接付けるとスラスト荷重で破損するらしいです(対策品もあるようですが)。
RODEO
2010/12/08 18:47
RODEOさま

 この前もちを食ったと思ったらもう正月目前・・・いや、焦りますね。普通のコアありモーターは鉄芯とマグネットでブレーキがかかってしまうけど、コアレスはそれがない分滑らかですね。本文にも書いたけれどフライホイールの効きがすごいですよ。
 ウォームからのスラスト荷重はこのD51はジョイントがあるので伝わりません。重い列車も牽かせるわけだからそういう設計なのでしょう。ポートラムでは直付けでしたね。ワールドのコアレスにウォーム直付けのチビロコ、C12、9600など、いくつかを時々走らせていますがとりあえずまだ破損はないです。ただ、割りに重いのを牽かせる9600は回転が遅くなっている感じがします。この辺わかったらレポしますね。
バラックモデル
2010/12/08 22:34
はじめまして!

主さんのブログや挙げてる写真のおかけで、ビリビリいわなくなりました!

私の場合は『kato D51 長野集煙装置 2016-6』です。
低速からビリビリ五月蝿い、動き始めがギクシャクしてました。

コアレスモーターをフライホイール側に寄せるイメージで、その上からマスキングテープで仮固定してみると、、、

当初見受けられた現象は完治と言ってィイほど改善されましたのでご報告させて頂きました!
おそらく、モーターとフライホイールの噛み合わせが良くなかったようです。

ヒントをくださいましてありがとうございました!!
ケイ素
2017/03/02 23:17
ケイ素様

 ご報告ありがとうございました。お役にたてて幸いです。大変お返事遅れまして失礼致しました。
バラックモデル
2017/05/05 04:27

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