4点式フランジ付きコンタクトシュー

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 前回の追記で出した、雨宮用のコンタクトシューをシンプルに整理しました。さすがにコンタクトが4点あると快調です。集電不良から解放されたと言ってよい感覚です。Bタンクのくせにポイントの連続する線路を、車両と電源の性能一杯のスローで走行を楽しめます。
 しかしさすがに小型車に4点のコンタクトを付けると粘着力は減少します。単純なエンドレスに比べ、引込み線の運転は何かと厳しいです。現状で集電ブラシ付きの緩急車を含め貨車4~5両がいいところです。でもまぁ、写真のような引込み線なら2~3両繋げば一杯ですからそれなりに遊べます。


 製作に当たっては、集電の効果、走行抵抗を小さく、粘着力を極力減らさない、と言う基本的な所はもちろん押さえるべきところです。その上で多少触っても壊れず、壊れても直しやすく、いざとなれば交換も容易、と言うあたりも重要と考えます。
 楽しく快調な運転が目的です。運転中の余計なストレスをなくすためにコンタクトを付けたのに、今度はコンタクトの扱いや手入れがストレスを呼んでしまっては意味がありません。その点ではまだまだ問題点があるのですが、一応区切りとしてご紹介いたします。

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 なるべくスペアもすぐに作れるように、前後一体の構造の「集電ユニット」にしました。もちろん取り外し可能です。材料は通販でも手に入る0.25の燐青銅線と2.0×0.4洋白帯板、左右の絶縁のために0.5のプラ板で繋いでいます。
 この構造が壊れにくいかというと疑問ですが、ロッド付きの下回りに装着されれば、わざわざ引っ掛けて曲げてしまうような扱いにもならず、今のところはストレスを感じていません。

 集電ユニットは動力フレームのバネ押さえ下面に引っ掛けて留める構造にしました。このため、燐青銅線のバネの中央部はクランク(?)型に曲げてあります。取り付けはちょっとコツがいります。

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 最初は斜めに置き、燐青銅線の弾力を利用して片側ずつピンセットではめていきます。コツがいる作業を、ギアのすぐ横でやると言うのが大きな欠点です。私は慣れたので何度も取り外しをしていますが、ギアを傷つけないよう、慎重にやります。

 線の曲げ部分がコンタクトのバネの支点と、車体への取り付けという2つの機能を受け持つことになります。線材だけで構成でき、シンプルになるのはいいですが、その分寸法がシビアになります。後の調整などを考えると、別々の部品で構成した方が良かったかな、とも思うのですが、スペースが厳しいこともあり、今回は見送りました。

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 曲げ方は大事です。多少ガタがある程度なら良いですが、集電ユニットがシーソーのように動くとまずいのです(後述)。逆に固すぎても取り付けがやりにくいです。

 線はt0.4の真鍮板に切り込みをいれたジグを作って曲げました。フレーム側のバネ押さえ下面の幅は2.4mmですが、ジグの切り込み幅はそれよりちょっと小さめ(2.2~2.3mm位)にし、きっちり曲げるよりやや甘く曲げて、丁度良い感じにはめ込まれるようにしました。

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 コレと洋白帯板から整形したコンタクトを、溝を掘ったベーク板のジグ上でハンダ付け、その後左右を切り離しプラ板で絶縁しました。

 線の間隔は、動力フレーム(4.0mm幅)よりちょっと広く、4.5mm位にしました。もうちょっと狭くても良いと思いますが、バネの効果を殺さないよう、フレームとは擦れない幅をとるべきです。
 また、コンタクトのフランジ裏面の間隔は、通常の車輪のバックゲージと同じ7.5mmにしなければなりません。ハンダ付けの時にきちんと固定し、寸法を出します。作例では線の中心間が4.5mmですから、それぞれ両側に1.5mmづつの位置がフランジ裏面となります。
 ハンダ付け用のジグをつくるなら、大事なのは線とフランジ裏間の寸法です。作例のジグはちょっと不完全。何かでフランジ位置を決める突起を付けておくと良いです。

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 で、話が戻りますが、コンタクトの工作のこと。

 ハンダ付けの箇所を減らしたかったのでコンタクトは帯板から一体に作りました。よって少々変則的な形ですが、実用にはなっています。
 帯材からフランジ部分だけ曲げるのは小さなものだけにちょっとやりにくいです。先に半分位の角度に曲げてから切り込みを入れ、再び起こすと言うやり方で作りました。
 細い部分はアームになります。アームはコンタクトのベース部分(線をハンダ付けする部分)が線路から0.5mmほど浮くように曲げておきます。言うまでもなくベース部分の線路との接触、ショートを避けるためです。

 曲げてある角の丸みの中心間を8mm位に取ると、フランジを起こし、アームを曲げた時に7.5mm近辺になります。後は曲げ方で微調整、というやり方をしました。この段階でバックゲージが決まるように、と考えてのことです。
 しかし上記のように後で切り離すわけですから、最初から別々に作って良かったのでした。何かと段取りが悪いです(笑)。

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 コンタクトの周囲の形状は、線路に当たりそうな部分の角をしっかり丸めておきます。写真のはまだちょっと荒っぽいですね。

 一応コンタクトのフランジ部分には車輪のフィレット同様の丸みを付けてあります。走行抵抗を考え、踏面とフランジ面が同時に接することはないように、という配慮です。ここの丸みはフランジを折り曲げる加工の際に自然に付いたものをそのまま利用しています。

 ただミニカーブのポイントもクロスもなかなかの悪路です。うちでは特定の場所で時々引っ掛かり勝ち。トングレールの根本部分で、食い違いが大きいところがありました。もう少し車両側の調整で様子を見ますが、ダメなら線路の方の角を少し丸めるつもりです。


 集電ユニットの工作はこれで完成です。後は取り付けてバネ圧などを調整します。

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 まずは集電ユニットがゆがんで付いていないか確かめます。コンタクトが曲がって付いているとフランジ部分が不必要に線路と接触し、走行抵抗が増えます。前後の車輪が斜めに付いたDタンクを思い浮かべれば容易に想像が付くはずです。コンタクトのフランジが、車輪のフランジと一直線に並ぶようにします。

 また曲がって付いていると、走行抵抗の増加だけでなく、線路の食い違いでも引っかかりやすくなります。

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 バネの圧力は粘着と集電の兼ね合いに重要です。作例では、ひっくり返した時にコンタクトがちょっと飛び出るくらいに調整したつもりです。でも写真で見ると同じラインに見えますね(笑)。ひっくり返して踏面にスケールをおろしていくと先にコンタクトに触るかな、という感触だったのですが・・・大雑把ですみません(笑)。
 つまりは車輪と同レベルでよいということでしょうか。この状態で走らせていますが集電性能は充分です。

 コンタクトの4点は平面に収まるように。どれか一箇所飛び出ているのは具合が悪かったです。スリップし勝ちになります。


 バネの曲げ具合など、集電ユニットを取り外して調整を行えるのはいいのですが、装着するとまた違った状態になったりすることもあります。根気がいるかもしれません。あと、後部のコンタクトはちょっと目立つので、気になる人もいるかもしれませんね。それでも集電不良から解放された運転は気分がいいですよ~!

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 製作、調整の要点は以上です。この記事を参考にして御作りになる場合、自己責任で行ってください。取り付けるときはくれぐれもギアをキズつけないようにしましょう。その他細かいことは下に書いておきます。

・走行抵抗、

 気になるのはカーブでの横圧です。フランジ付きですから線路からD型機相当の力を受けていると考えられます。しかし我が家のR100曲線上では、特に速度、牽引力の低下は感じていません。前後のコンタクトのフランジ間は27mmです。この位のカーブなら、横圧は車輪の横動で逃がせるのでしょう。

 前回追記のものはカーブ対策で少し首を振るようにしたのですが、復元が不完全で、取り付け方次第でポイントで引っかかりやすく、またカーブでも時々スリップしました。結局D型固定の状態の方が調子が安定しています。コンタクトの曲がりが走行抵抗を増やしていたと考えられます。

・粘着力

 集電ブラシ付きの緩急車を含む貨車5~6両は牽引可能ですから、我が家の運転では粘着も充分です。この編成で勾配も上ります。前回書き忘れましたが雨宮のサイドタンク内には鉛のウエイトを入れてあります。

 しかし推進で貨車を押し込む場合、上記の編成を4両にしても、渡り線のSカーブにかかったりすると時々苦しい面が見られます。普通の速度なら大丈夫ですが、秒速2センチ以下位のスロー運転での押し込みになるとスリップする箇所が出てきます。超スローでもスリップせずに、となると3両が限界でしょうか。

 しかしミニカーブのポイントはR140です。このクラスのSカーブでは2軸貨車でも連結部が苦しそうになるものもあります。渡り線の連続する線路に貨車を押し込む際、貨車のカプラーの状態によっては妙な力がかかり、下手をすると中間に入った軽い貨車が半分浮き上がったりします。そんな状態になると当然スリップが始まりますが、これは貨車側の調整や改造も必要なのでしょう。複雑な線路で快調に運転するには、機関車だけでなく、トレーラーの整備も必要になってきそうですね。


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・シーソー状態が悪い訳

 集電ユニットが、取り付け位置を中心に前後にシーソーしないようにします。前のコンタクトを上げると後ろが下がり、後ろを上げると前が下がると言ったイコライザーのような動きは具合が悪いのです。
 或る車輪が、たとえば前輪がクロスのフログに落ち込んだ場合、車輪の落ち込んだ分前輪側のコンタクトが上がり、後輪側のコンタクトを押し下げます。コレは後輪の軸重を減らしてしまいます。落ち込みにより前輪が空回り、踏ん張って欲しい後輪も軸重不足で空回りで、下手をすると単機でも抜けられない現象が起きました。
 それぞれ単独でバネが効くように、取り付け部にしっくりはまるようにしました。先述したように、多少はルーズでも良いですが、ガタガタではダメ、といった感じです。

 実はシーソー状態のものも作ってしまったのでした。抵抗を少なく出来そうに思ったので・・・しかしどうもクロスでじばしばスリップするので、ちょっと考えてみたのです。多分以上のような理屈でしょう。間違っている可能性もありますが・・・


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