安上がりのパワーパック補足

 以前「安上がりのパワーパック」の記事で、秋月電子の電池式モーターコントロールキットに付いて書きました。キット自体400円と安く、大きな基盤でハンダ付けもしやすいのが良いです。パワーパックとして使ってみてもスロー運転の性能が良く、鉄道模型の電子工作の入門用にピッタリのものだと思います。

 しかしキットのままではパワーパックとしては使えません。最低でも車両の前後進のための逆転スイッチ、脱線などでショートした時の回路の保護部品を取り付けなくてはなりません。非常に簡単な加工ですむのですが、初心者の方には戸惑うところがあるかも知れませんので補足しておきます。

*回路について

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 図のようにショート保護用のポリスイッチと前後進切り替えの逆転スイッチをつなぐだけです。逆転スイッチは「2回路2接点」を使います。2接点のスイッチが二つ(2回路)並んでいて、連動して切り替わります。この切り替えで、+の電気がNに行く時は-の方はSにつながるよう、+がSの時は-はNになるように配線されていますので、ヒマだったらたどって確かめてみてください(笑)。
 図には+-が描いてありますが極性は気にしなくても支障はないです。ちなみにエンドレス内側レールのNフィーダが+の時に右回りに進みます。

 ボリウムは、キットのままで取り付けるとツマミを右回りに回してスピードダウンとなり、通常とは逆の操作になってしまいます。コレでは具合が悪いので逆向きに付け直します。
 単に逆向きに付けたのではツマミが内側を向いてしまいます。足を折り曲げるとか、基盤の裏に付ける等の手もあるでしょうが、コードで延長して配線しておけば、ケースやパイクへの取付け位置を自由に決められます。
 電源スイッチやパイロットランプのLEDについても同じことが言えますので、必要に応じてコードを介して配線します。(図ではLEDは基盤につけたまま)

 キットの回路図で、出力に並列につながっている電解コンデンサ(C1)は、パルスを平滑にするためのコンデンサだと思います。
 パルスは平滑化しない方がスローが効くはずなので、私は取り付けずに使っています。それで全く問題なく、かなりのスロー運転の出来るパワーパックとして使えています。
 ただモーターから少しうなり音が出ていますので、ちゃんとC1を付けるべきかも知れません。C1の有る無しでスローの性能がどうなるかは比較の実験をしてないのでわかりませんが、ネット上では元々スローの効く電源としての評判が高いので、まずはきちんと付けて使うのが本当ですね。

*個々の部品について

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・ポリスイッチ

ポリスイッチ 250mA

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-01354/

 秋月のwebページにはリセッタブル・ヒューズとも書かれています。うちで使っているのは電流が0.25A以上流れると制限され、0.5Aで切れるもので、Nゲージ小編成のスロー運転ならこれで間に合うと思います。

・逆転スイッチ

トグルスイッチ6P・中点OFF

http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?toku=&cond8=and&dai=&chu=&syo=&cond9=&k3=2&list=2&pflg=n&multi=&code=7AZY-75DW

 トグルスイッチと呼ばれるものがよく使われています。先に書いたように「2回路2接点」のものを使い、出来れば「中立でOFF」になるものが「停止」のポジションをとれて便利です。

・その他

M7ナット

http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?toku=%258C%25C5%2592%25E8%2582%25CB%2582%25B6&cond8=and&dai=&chu=&syo=%2593d%258Eq%2595%2594%2595i%2597p&k3=0&pflg=n&list=2

 ケースやパネルにボリウムを固定する際、取り付け用のナットが必要です。キットのボリウムには付属していないのでパーツ屋で買っておきましょう。秋葉原ならキットを売っている秋月電子の隣にある千石電商においてあります(ネット通販もあり)。7mmのネジがはまるナットだからDIY店などで使えるものが手に入るのかも知れませんが、一般のナットよりかなり薄くないとツマミが浮き上がって不細工です。やはり専用の物が良いと思います。

ツマミ

http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?toku=%25A4%25C4%25A4%25DE%25A4%25DF&cond8=and&dai=6&chu=&syo=&k3=0&pflg=n&list=2

 うちで使っているツマミは秋葉原の千石電商で買っていますが、通販もあるようです。軸にはいもネジをしめて固定しますが、締め付け用の工具がマイナスドライバーだったり六角レンチだったりします。
 模型をやる人なら小さなドライバー位持っているでしょうが、六角レンチは無い人も多いと思います。私は百円ショップで手に入れました。DIY店にもあるはずです。何本かのセットで売っていると思いますが、写真に写っている1.5mm位のものをよく使います。


・ロータリースイッチ

 私の好みでは、操作感や見た目の点でトグルスイッチよりこのロータリースイッチに古臭いツマミをつけて切り替えるのが好きです。同じような感覚の方もいらっしゃると思いますので、オマケでロータリースイッチの使い方も書いておきます。

 軸を回転させて接点を切り替えるもので接点の数や回路の数でさまざまな種類があり、トグルスイッチの代わりにパワーパックの逆転用として使えるものがあります(手持ちが無かったので写真のものではダメですが、形はどれも似たようなものです)。昔からあるKATOのパワーパックも前後進切り替えはロータリースイッチでした。


 ただしご注意が一つ。

 通販等で手に入りやすいアルプスのスイッチは定格が0.15A(150mA)と小さいので、これを守る限りは最近のモーターでおとなしく運転する程度にしか使えません。アルプスのホームページでもう少し容量の大きいものもありましたがそれでも0.25Aと通常のパワーパックとしては微妙な値です。

 うちのパワーパックで使っているのは上記の定格150mAのものです。経験的にはこの倍以上と思われる電流を流して使っても特にトラブルは発生していませんが、定格外での使用する場合は各自自己責任でお願いします。スイッチが焼きついてショート等が起きないとも限りません。トグルスイッチの図で示したのと同じように、手前にポリスイッチを付ける等、必ず保護回路をつけておきましょう。

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ロータリースイッチ(4回路3接点)アルプス SRN1043S

http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?toku=%25B3%25AB%25CA%25C4%25B4%25EF%2520%25BB%25B0&cond8=and&dai=&chu=&syo=&k3=2&pflg=n&list=2

 逆転スイッチとして使えるのは4回路3接点というものです。電気的には2回路3接点で間に合いますが、そういう規格のものは売っていないので2回路分は余らせて使います。図でスイッチの左下の※から時計回りに接点を並べたのが右側の絵です。3接点を持つ回路が四つあります。軸を回すと入力する端子(コモン端子と呼ばれます)とa,b,cの接点がどの回路も連動してつなぎ替わります。

 極性切り替えをするには、トグルスイッチの時と同じように+を入力する回路がNフィーダにつながる時は-の入る回路はSに、+がSにつながる時は-はNにつながるように配線します。回路はスイッチのどの部分を使っても良いのですが、一つあけて使用したほうがハンダ付けも楽でゴチャゴチャしません。

 トグルスイッチは2回路「2」接点でしたが、ロータリースイッチでa,b,cの「3接点」あるものを使えば、bの接点はどこにも繋がず「停止」のポジションとして使えます。トグルスイッチでは中立OFFのものでないと停止が出来なかったのでこの点優利です。
 ちょっと面倒なのは、軸が長めなのでツマミによっては少し切り落とさないといけないこと。割とやわらかいので糸ノコで充分切れます。

 あと、細かいことですがロータリースイッチの規格には接点数などのほかに「ショーティング」と「ノンショート」の二種類があります。切り替え時に隣り合った接点同士が触れながら(ショート)切り替わるのか、どちらからも一旦離れて(ノンショート)から切り替わるのかの違いです。どちらを使うのか購入時に聞かれるかも知れません。
 しかしここではどこにも繋がっていないb(停止)を経由して切り替えますので、どちらの規格でも構いません。


*うちでの定格外での使用状況について

 実は定格については、最近まで全く意識していませんでした(笑)。KATOのパワーパックに入っていたものとそっくりだったので普通に使えるものだと思っていたのです。以前の記事で「ザク」、「俺専用ザク」としてご紹介したものに組み込んで、もう3年以上使っています。

 私の使い方はせいぜい数両の編成で、低速での運転が基本ではありますが、子供が使う時はその限りではありません。また常点灯用電源で室内灯をつけることが多く、停車中もそれなりに電流が流れています。電流を喰う古い動力車の運転、慣らし運転での乱暴な切り替えにも使ってます。

 こんな感じの運転ですが、今のところトラブルは出ていません。今後事故が発生した場合も、手前に保護回路(0.5Aポリスイッチ)が入っているので、まさか火を吹くまでには至らないと思っています。接点の痛みが早い可能性は大と思いますので、消耗品と考えて故障時には交換で対処します。

秋月電子通商

http://akizukidenshi.com/catalog/default.aspx

千石電商オンラインショップ

http://www.sengoku.co.jp/index.htm

 図解中心でサラッと解説しようと思ったのですがついついダラダラ書いてしまいました。すっかり涼しくなりましたね。秋の夜長にハンダゴテを出してきて電子工作もいいものです。

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