チビロコ動力化

画像


 チビロコが再販されますね。製品では後の客車に動力が入り、押されて走る、いわゆるユーレイ方式ですが、ロコに動力を仕込んでみたい人も多いと思います。

 よく参考にさせていただく豊沢様のサイト「Nゲージ蒸気機関車」のメモに、チビロコの動力化をした人はいませんかと書いてあるのを見て、ちょっとやってみたくなりました。本当は前回の続きでC12のボディーにとりかかるはずだったのですが、どうも上回りの工作にはなかなかエンジンがかからず、つい寄り道したというのが正直なところです。どうもすみません。

 しかし出来上がってみると非常に楽しく、今も机の横でクルクル回っています。きっかけを与えてくださった豊沢様には本当に感謝いたします。ありがとうございました。
 製作に当たっては、出来るだけオリジナルな姿で、しかしちょっと違う、という「ニセ製品」的な印象に仕上がるように全体の構成を考えました。



 動画を撮った後また少しいじったので、もう少しスローが効き、渡り線も大分安定して通過するようになりました。電源はTOMIXのN1000-CL相当の自作品です。

 最初は何か簡単に利用できそうな動力台車は無いかと考えましたが、なかなか思い当たりません。蒸機の足回りに改造しやすいものとして、ナローの世界ではよく使われるTOMIXのDE10の動力台車がありますが軸距が短すぎ。チビロコをショーティーにして合わせるのも魅力がありますが、ボイラーの切り欠きやらロッドの短縮やらに手間取りそうです。それに出来れば原型のまま、車体にメスを入れるのは最小限にしたい、という希望もあります。
 ナロー方面では乗工社から出ていたパワーユニットが近い寸法で使えそうではあります。たしかリニューアル版がIMONから出ていたはず。しかしロッドがメインロッドのみで、幅の寸法もチビロコにはオーバーになりそう。

画像


 結局オリジナルのフレームを加工して、最もシンプルなキャブ内モーター縦置き、ウォーム一段、サイドロッド連動という構造が良さそうに思えてきます。フレームをくりぬいて車軸にギアさえ付けば、あとはモーターのウォームとかみ合わせるだけで動力機構の工作はおしまい!特に小さなモーターを使う場合には、この最小の伝動が効率の点でも良いと考えました。

 ロッド連動が不安に思われるかも知れませんが、最悪メインロッドだけの、一軸駆動でも充分に走ります。実はその方がずっと滑らかで調子が良かったです。ただしウエイトをキャブ内まで入れないと列車は牽けません。

 とりあえず内側台枠のキャラメルNを作るつもりでかかれば、走るチビロコを作れますから気楽に構えます。ロッド連動は、調整に慣れてからやっても良いのです。位相もやってみれば意外と合います。私は目分量で合わせています。

画像


 使いそうな部品を並べてみたところです。結局使わなかったものも入っています。モーターはワールド工芸の6mm径のもの。キャブ内に余裕で収まる寸法。ギアダウンさえ充分なら、相当な性能を発揮するのは前回でも書いたところです。

 何はともあれ車軸にギアを入れなければなりません。チビロコの車軸は1.5mmで車輪径が6.5mmですからコレに合うギアが必要です。性能を考えると歯の細かいモジュール0.2を使ってギア比を稼ぎたいところ。手持ちの動力台車(KATOのAssyパーツ)から20枚、26枚のギア付車軸が取り出せますが軸穴が1.0mmで合いません。
 1.5mmの軸穴のものはちょっとユルいですがアリイ蒸機の13枚のアイドラー(前回出たもの)が手持ちにあります。一般の電車やポケットラインの動力並みのギア比になります。モーターに力があればこれで充分ですがワールドモーターだとちょっと不安。入手が一般的でない事もあり、今回は見送りました。

画像


 作例ではED73の動力台車から、ウォームと共に26枚のギア付車軸を取り出して使う事にしました。ウォームは、モーター軸が0.8mmなので、エコーの1.0×0.8のパイプで合わせます。ギアはごらんのように歯が細かく、ギア比が高く取れます。このギアの軸穴を1.5mmに拡げて車軸にはめました。

 細かいギアの軸穴を拡げるとなると不安はあります。正確さを考えるなら、ギア付車軸の両側をカットした上で1mmの軸に通し、パイプ(エコーの1.5×1.0)を使って車輪の軸穴と合わせるやり方が確実だと思います。
 1mmの軸は動力台車のウォームにはまっているものがちょうど車軸に利用できる長さで好都合でもあります。蒸機の先輪等に使われている軸と共通部品なのでしょう。

 しかしうまく穴を拡げる事が出来れば加工も簡単です。動力台車からギア付車軸は二つ取れます。失敗しても予備があると考え、思い切って試しました。

画像


 いきなりドリルで開けても大丈夫だったかもしれませんが、前回のギア加工に似た形で、モーター軸にはめて回しながらデザインナイフの先でちょっとずつ拡げました。鉄コレやBトレの、1mm軸のモーターを使います。

画像


 まず軸を切ってから穴を拡げていき、

画像


 時々車軸を差し込んで確かめながら片側の穴を拡げます。拡がりすぎはアウトですから慎重にやります。

 うまくいったら反対側の軸を切って、穴をガイドに1.5mmのドリルで貫通させました。

画像


 最後に1.5mmの軸のモーターにはめてチェックします。後は瞬間接着剤を併用して車軸中央に固定して出来上がり。

 サイドロッド連動させる場合は、車輪の位相を合わせて入れます。その場合は調整出来るよう、フレームのギア周辺の加工を先にしておきましょう。


 ところでこの加工法はKATOのギア付中空車軸ならどれでも出来ますから、安上がりにBトレインの動力からギアもモーターもいただく、ということも可能です。Bトレのモーターを使う場合は、キャブに入る寸法ではありますが、ギアをかみ合わせるには少し斜めにする(ミニトリックスのT3のように)必要があると思います。

画像


 集電ブラシは線材を使ってもいいのですが、ここではIMONのパーツを使いました。先に書いたチビロコに近い寸法の動力用のものなので大体いい感じに収まります。サイドからモロ見えですが、ニセ製品としては抜群な見栄えだし、こいつ・・・動くぞ!という雰囲気満々なので気に入っています。
 余計なところは切り取って、フレームとショートしそうなところも削っておきます。フレームには結構ぼってり塗料が乗っているので大丈夫かもしれませんが、剥げてきたときの用心です。

 薄紙を張り合わせてまとめ、赤く塗っておきました。フレームに直に触らないよう、裏側の一部にも薄紙を当ててあります。

画像


画像


 後は大体写真でご判断願います。簡単な構造なので部品も少ないです。いちいち分解式になっているのは、ウォームをかみ合わせずにサイドロッドの調子を見たい、集電ブラシの圧力を微妙に変えて様子を見たい等の調整の便を図ってのことです。

画像


画像


 上下の組み立て用ネジ穴は、煙室の下と、もう一つはフレームを切り欠いたところにあったので、現在は煙室一箇所だけで締め、もう一箇所は後部端梁に洋白線を挿し、床板を引っ掛けて止めてあります。少しぐらついてギアの噛み合わせが変わりやすいので、フレーム中央あたりにネジ穴を追加したいところです。

 カプラーポケット周辺は、ウォームが進出してきたので小さくまとめなおしました。

画像


 ボイラー内部は出来るだけくり抜いてウエイトを詰めました。コレが結構大変でした。キャブのサイドタンク内にまだ余地があるのでもう少し補重します。

画像


 動画を撮った後に、第一動輪の軸受けを少しヤスりとり、中央に線を挿して三点支持にしてみたところ、少し調子が良くなりました。この手のロコは集電が命なので補重や接地は重要です。軸距が長めなこともあり、渡り線などのポイント通過も結構いけるようになりました。まだスローでは危ういですが。

画像


 このチビロコは構造が簡単な分、いろんな要素が絡んできて調整はやりがい(笑)があります。位相合わせ、軸のアバレ、集電ブラシの圧力、重量バランス・・・でも程ほどのところまでは結構すんなり出来ると思います。チビロコは滑るように走るより、多少肩を揺らす位が似合いますね(笑)。ポイントで止まるとかロッドがギクシャクする等はあまり気にせず、調子が悪い時は手をさしのべて可愛がってやろうと思います。

画像




この記事へのコメント

雀坊。
2010年04月01日 07:04
うはー!これはすごい!!
私も構想だけはあったんですが、まさか実現出来るとは。
参考になります。
バラックモデル
2010年04月01日 19:21
雀坊。さま

 是非参考にしてください。光栄であります。雀坊。さまのところの在庫に動力入ったらマレーになるのでしょうか(笑)。再販のは黒輪芯のもあるからいろいろ使えそうですね。

この記事へのトラックバック