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zoom RSS KATOの9600、TOMIXC57に新型モーターを移植

<<   作成日時 : 2011/12/27 21:19   >>

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 KATOの9600は当たり外れが大きいとの評価をよく目にします。アリイの9600が良く出来たものだったこともあり、ちょっと影が薄い印象です。私の買った9600も、最初はやはりラビットスタート、集電の悪さ、走行音の高さを感じました。このあたり、一般にはテンダーの集電能力を改善してやればかなり調子が良くなるはずです。

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 例によって分解していろいろ調べたところ、この10年近く前の設計が、最近のD51498C622といった高性能な製品の元になっているように見えてきました(C62東海道はKATO蒸機の中では単独な設計ですので、ここでは別扱いにします)。

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 KATOの蒸機は9600を境に、それまでの製品に比べ動輪の車軸とクランクピンが細くなっています。軸箱も小型になりました。軸は細くした方が摩擦抵抗が小さくて良いのですが、量産品としての動輪の組立精度や耐久性を考えると、初期製品で取り入れるには難しい寸法だったのかもしれません。

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 また、フレームの割り方や、差し込み式のアイドラーギアの軸の構造も、それまでのものとは違います。伝動は30T/23Tのウォームホィールを兼ねたダブルギアから第二動輪の20T、そして18Tのアイドラーを経て第三動輪にも連動。ギア比は大体26:1で、モジュールは0.3の通常のものです。

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 国内向けの蒸機としては初めてフライホイールが採用されたのもこの9600から。スケールも見直され、モーターも新設計(今や鉄コレ動力などでおなじみのものですが)の小型のもので、キャブ内にバックプレートも付きました。
 現在のD51498やC622は、かなりの部分がこの9600の構造を元に作られたはずです。乱暴に言えばモーターが違うだけに見えます。

 さてそうなると、これに当時はまだ無かった最新のモーターを移植したらどうなるか?との興味が沸いてきます。
 私の手元には最新のモーターの付いたD51とC62のAssyが1個ずつ転がっています。どうしてもうずうずしてきます・・・白状すれば今年初めに買った時からうずうずしていたのです(笑)。

 仕方なく(?)他の仕掛り品を差し置いて加工してみました。お手製でのKATO9600リニューアルというわけです。

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 結果的にはなかなか快調なロコになりました。フライホイールの効果は少なめですが、まずはD51498と同等の性能になる、といえます。もちろんD51との協調もバッチリです。

 しかし単純にモーターの交換だけでは希望の性能を引き出すには至りませんでした。集電性能を中心に、多少の調整が必要でした。
 逆に言えば、モーター交換をしなくても、後述する調整だけでも充分快調になるということです。

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 加工自体は簡単で、ほとんど写真で見たままです。元のモーターホルダーに新たなモーターが嵌るようにするのと、モーターが長い分、キャブ床板を少し切り欠くだけ。モーター側のジョイントは同形なのでそのまま嵌ります。

 ギアの枚数の関係で、モーターへの通電はD51、C62とは逆です。そうしないと他の車両と逆向きに走ることになります。ここでは赤いコードを左にします。新しいモーターの通電板は、元のモーターホルダーに差込んで先を折り曲げます。それでオリジナルと同様に装着と同時に通電される構造になるのは都合が良かったです。工作中こういうところを見つけると少しいい気分になります。

 ちなみにD51、C62では赤いコードが右です。ここを揃えるためか、モーターの向きが逆になるC62では、わざわざ逆ウォームを嵌めています。DCC加工のときに迷わないための配慮でしょうか?

 元のモーターは、どうしてもいきなり回り始める感じ(低い周波数のパルスの電源ならかなりのスロースタートも可能)でしたから、新モーターへの交換で、スタートのリアルさは格段に良くなります。

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 欠点として、元のモーターより長さがあり、せっかくのバックプレートが生かせないというのと、やはりコストがかかるということ・・・数千円出すなら10Φ程度の大きさで、火室に収まる長さのモーターを単独で買う方が良いでしょう。モーターのためだけにAssyを買うのもなんだか無駄の多い感じです。しかしDCCを使わずに新しいD51と重連させたい場合はAssyから確保するのが確実です。



 さて、私はTOMIXのR177を滑らかなスロー運転できるように、というのが目標にありましたので、もう少し調整が必要でした。まずはテンダーの集電からです。

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 テンダーの集電改善は、いろいろなやり方があると思います。私も自分なりに3軸集電に直しました。これで充分とも思ったのですが、かなりスローが効くようになったことで、ポイント上からの極スロー発進ではまだちょっと集電性能に不足を感じました。

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 製品の、ドローバーの通電線を集電板に接触させる構造では、どうしても集電板の上下動が固くなりがちです。ここは素直にコードで結び、集電板が柔らかく上下するように直しました。
 この機関車の調子に関しては、結局集電板の動きを直すのが一番効果的だと思います。その次に後述する軸箱の動きをチェックして直せば相当調子が良くなるはずです。

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 コードをハンダ付けするだけだと、ビニール被覆とハンダで固まったところの境目が動いているうちに弱り、ちぎれてしまう事が多いです。ビニール部分をもう一箇所、線で巻き込んでおくなどして固定すると長持ちします。こういうところの修繕はなかなかいやなものですから、最初にしっかり作っておきます。


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 軸箱の動きに関してですが、私の買ったものは、フレームのダイキャストが荒れているのか、軸箱がガッチリ嵌ったままでスムースに上下しませんでした。左右動もしない軸もありました。R177上のバック運転で、少し回転ムラが発生しました。少しずつヤスリで拡げて軸箱の動きを確保したところ、かなり改善しました。フレームの修正はかなり微妙な作業です。いきなりゴリゴリ削らず、黒染めが剥げて地肌が見える程度で調子を見ました。
 動輪押さえ板も軸箱の動きを妨げているようなので、相当する位置の出っ張りを少し削りました。

 まだもうちょっと直す余地がありそうですが、低いパルスの出る電源なら秒速1cmの超スローでも回転ムラはわかりませんので、これで良しとします。

 軸箱が固くて動かないというのは、最新のC62でも見られました。出荷する時にこの辺のチェックはどうなっているのでしょう?直線や緩いカーブなら回転ムラの問題はないですが、集電には影響するはずです。9600の走行、当たり外れが大きいといわれているのには、テンダー集電板の動きが固いだけではなく、メインのフレームの仕上がりにも原因があるのかも知れません。まあ1台買っただけですので、あまり無責任なことは言えませんが。

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 あと、ジョイント部から少し雑音が出ていました。後進時の方が音が大きかったので、いろいろ推測して写真のようにフライホイールに嵌る黒い部品の先端を削り、さらに2Φ程度の穴を開けました。加工前の写真が無くてすみません。

 写真で白く見える穴の部分、元はふさがっていて、中心に短い細い軸が突き出ていたのです(このナゾの軸は自動的に芯を合わせる工夫か何かでしょうか?)。
 一方フライホイール側は、内部にウォーム軸が出ています。ここがそのナゾの軸に当たっていたのが雑音の原因だったのだと思いますが・・・

 実ははっきりしたことは不明なのです。後進時にはギアの反動でウォームが後方にずれますから、単純に軸とジョイントの接触だと考えたわけです。それでここに余裕を持たせるためにモーターを後ろにずらしてみたのですが、音は余り変わらなかったのです。

 それでもこうして軸を切り落として穴を開けると、とたんに静かになりました(なんと高速運転でもD51やC62より静かな走行です)。やっぱり雑音はジョイント先端の当たりが原因で、モーターを後ろにずらした時の雑音は、また別の原因で生じたものだったのでしょうか?

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 その他、カプラーの先台車マウントの加工をやりました。マグネマティックNo2001のロングシャンクを取り付けます。急カーブでの入換やバック運転もトレス無く楽しむため、うちの中小型機では前部カプラーはマグネマティックを台車マウントにするのが標準です。エンドビームの切り欠きで外観は犠牲になりますが、R177に対応できる開口部はこんな感じになります。

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 以上で加工はおしまいです。D51より小回りの効くのが良いところです。机上運転の小エンドレスでヌルヌル走るロコは楽しいです。
 ただ、低速中心の運転となりますと通常のパワーパックのつまみでは回転角の範囲が結構狭いです。特にこの新モーターは起動電圧もかなり低く、コントロールの手さばきが一段と微妙で疲れます。こういうところはこのモーターの欠点といえます。電源はせいぜい6V位のものがいいです。今のところは以前作った秋月のキット利用のもので極スロー発進を楽しんでいます。
 しかしこの手の電源を使うなら、結局モーターは元のものでも充分スローが効くと思います。面白がってモーター交換をしたけれど、やっぱり集電やフレームなどの基本的な調整が大事なのだ、と、当たり前の事を再認識しました。

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 単純に9600の走りに不満がある場合は、まずテンダーの集電から直しましょう。それでまだ集電不良だったり回転ムラを感じるのなら軸箱の動きをチェックします。モーターの交換を考えるのはそれからです。
 その上でD51と重連させたいとか、もっとスタートをリアルにしたいと思う場合に、モーター交換は非常に有効です。足回りは充分に整えておかないと、せっかくのモーターも活きません。

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 さて、では元々快調な足回りに移植したらどうなるか?というわけでTOMIXC57の動力(C54に改造中のもの)にも取り付けてみました・・・なんていうのは後付の理由で、本当は単にもう一個モーターがあったからです。思いつきの興味だけでいきなりゴソゴソ始めるのです。仕掛品を片付けるのが先なのに困ります(笑)。

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 長くなりますのでざっくり写真だけ並べます。とは言え加工しようと言う方なら見ただけでお解かりの構造です。
 加工の要はモーター側のフライホイールです。ここはジョイントも兼ねています。

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 なるべくモーターを前に寄せたいのでフライホイール、ウォーム側のジョイントを加工して間隔を詰めました。フライホイールは後ろを1mm詰めましたが、これ以上切るとモーター軸の嵌る部分が短くなりすぎて良くありません。またモーター軸が0.8mmなので、フライホイールの穴(1.0mm)にあわせるためにエコーの1.0×0.8のパイプを使っています。

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 重要なのはここの芯出しです。ちょっとでもずれていると、大げさに言えば携帯のバイブレーター状態になり、スローで静かでも高速でいやな音が出ます(雑音の芽はスローの時から出てます)。
 ここは無理にフライホイールにせず、ジョイントカップだけで繋ぐ手もあります。元より悪くなったのでは意味がありませんからね。TOMIXのもの(鉄コレ動力のものなど)なら大抵合うはずです。


 結果はさらに快調で、スタートの滑らかさは極上です。KATOのD51498ともバッチリ協調します。大径スポーク動輪の極スロー発進はなかなかの見ものです。早く上回りを作りたくなりましたが、今年の工作はこれで時間切れとなってしまいました。

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 なんだか来年はC55の仕掛品が増えるのが目に見えるようです。鬼が笑っています。それでは皆さん良いお年を。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます。
凄い技術ですね
拝見させて頂きました。
よしくん
2011/12/28 08:19
よしくん様

こんばんは。コメントありがとうございます。
お楽しみいただければ幸いです。
バラックモデル
2011/12/28 19:27

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